1.歯科用貴金属の緊急改定について
4月13日 日本歯科医師会 |
本日の中医協におきまして、歯科用貴金属価格の緊急改定が承認され、5月1日からの告示価格が示されました。金属材料価格のうち、特にパラジウムはウクライナ情勢下で急騰がみられ、歯科鋳造用金銀パラジウム合金(金12%以上JIS適合品)の1g当たりの告示価格案は3,413円となります。他の歯科用貴金属も引き上げられることになりました。
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2.歯ブラシ業界、「1カ月交換」推奨 ロゴと標語作成
4月6日 日本経済新聞 |
歯ブラシ関連の業界団体である全日本ブラシ工業協同組合(大阪府東大阪市)は、月に1回歯ブラシを取り換えるよう利用者に促すための統一標語とロゴマークを作成した。会員メーカーは製品のパッケージなどに表示する。これまでは毛先の開きを交換の目安にしていたが、歯の健康に対する意識の高まりに合わせて、具体的な時期を明示することにした。
新しい統一標語は「ハブラシは月に1回とりかえましょう」。従来の標語は「毛先がひらいたらとりかえましょう」で、それに沿って2~3カ月使い続けていると、ブラシがへたってきて歯の汚れを取り除く機能が落ちるという。買い替えの頻度が早まれば市場の成長を後押しできるという読みもある。
全日本ブラシ工業協同組合は大阪府を中心とする中小企業で構成しており、花王、ライオンなどの大手も賛助会員として加わっている。
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3.75歳以上の医療保険料 4月から月額114円増の見込み 過去最高
4月1日 朝日新聞 デジタル |
75歳以上が入る後期高齢者医療制度の保険料が、4月から2年間は全国平均で月額114円増える見込みとなった。厚生労働省が1日、公表した。加入者1人あたりが支払う平均保険料は月6472円で過去最高になる。
後期高齢者医療で窓口負担とは別に支払う保険料は都道府県単位で2年ごとに見直される。高齢化を背景に保険料は上がり続け、2008年の制度開始時より全国平均で月1189円増えた。ただ、コロナ禍での受診控えの影響などで、上昇幅は抑えられているという。
保険料が最も増えたのは鳥取県で、月483円(10.5%)の増加。保険料が最も高いのは東京都で月8737円。最も低い秋田県の月4097円に比べて2倍以上となった。
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4.令和5年版歯科医師国家試験出題基準について
3月30日 厚生労働省 |
厚生労働省は3月30日、第116回歯科医師国家試験から採用される出題基準の令和5年版を公表した。改定の概要は次の通りである。
1.歯科医師国家試験出題基準改定の経緯
歯科医師国家試験出題基準は、昭和60年に策定されて以来、歯科医療・歯学教育の変化に合わせて4年毎に改定し、内容の見直しを継続的に行っている。今回の改定は、令和3年3月に取りまとめられた「歯科医師国家試験制度改善検討部会報告書」の提言を踏まえて行った。
2.歯科医師国家試験出題基準改定部会
令和3年9月10日に「歯科医師国家試験出題基準改定部会」を設置し、計5回の会議を開催して、現行(平成30年版)の歯科医師国家試験出題基準について議論のうえ改定作業を行った。
3.改定の基本的な考え方
(1)ブループリントの出題数は、令和3年3月に取りまとめられた「歯科医師国家試験制度改善検討部会報告書」の提言を踏まえる。
(2)共用試験(CBT. OSCE)の公的化に伴って、今後は、共用試験と国家試験の出題内容や出題範囲の棲み分けについての議論が開始される。その準備段階として、診療参加型臨床実習で経験する内容を考慮しつつ、実際の臨床で遭遇する頻度等を踏まえて疾患等の位置付けを行い、できる限り、出題基準項目を包括化・簡素化した。
(3)診療参加型臨床実習での学習成果を中心とした卒後臨床研修開始前の到達度を確認することに主眼を置き、歯学教育モデル・コア・カリキュラムや歯科医師臨床研修の到達目標とも整合性を図った。
(4)近年の歯科医療をめぐる状況や歯学教育における教授内容を踏まえ、 下記項目についても出題を行う。
・歯科医師として必要な和漢薬を服用する高齢者や全身疾患を持つ者等への対応に関する内容
・医療のグローバル化に伴い歯科医師による国際貢献がこれまで以上に求められている現状を踏まえた国際保健に関する内容
(5)下記4項目については、今後も充実を図り出題を行う。
・高齢化等による疾病構造の変化に伴う歯科診療の変化に関する内容
・地域包括ケアシステムの推進や多職種連携等に関する内容
・口腔機能の維持向上や摂食機能障害への歯科診療に関する内容
・医療安全やショック時の対応、職業倫理等に関する内容
4.採用時期と問題の出題
今回、改定した出題基準は、第116回歯科医師国家試験(令和5年)から採用するが、改定当初は特に、出題基準の改定による受験者の混乱がないよう、現在の歯学部における授業内容等を考慮し、歯科医師試験委員会で問題の内容等について十分に議論を行ったうえで出題する。
5.おわりに
本出題基準が正しく理解され、歯科医師国家試験委員によって活用されることにより、歯科医師国家試験が妥当な範囲と適切な水準で行われることを期待する。
さらに、将来的には、臨床実習開始前に習得すべき知識については共用試験で出題し、国家試験では、診療参加型臨床実習で培った能力を評価できるような出題を行うこと、また、それに伴い出題範囲を絞ることについての議論を踏まえ、歯科医師国家試験出題基準について改定作業を行っていく予定である。 |