1.まん延防止の全面解除、分科会が了承 期限の21日で
3月17日 日本経済新聞 電子版 |
政府は17日、新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置について東京など適用中の全18都道府県で解除する案を専門家に諮り、了承を得た。期限の21日で終える。全面解除は1月以来およそ2カ月半ぶりとなる。17日夜に開く政府対策本部で正式決定する。北海道、青森、茨城、栃木、群馬、埼玉、干葉、東京、神奈川、石川、岐阜、静岡、 愛知、京都、大阪、兵庫、香川、熊本の18都道府県の措置を解く案を諮問した。
岸田文雄首相は16日の記者会見で国内の感染状況について「全国的な感染者数はピーク時の半分程度まで落ち着いてきた」と説明した。「病床使用率などに地域差はあるものの、明確な低下傾向が確認されている」と指摘した。
政府は緊急事態宣言に準じる重点措置を適用して変異型オミクロン型の感染拡大に対処してきた。飲食店などの営業時間の短縮などの対策を進めた。1月9日に沖縄など3県に適用し、対象地域は一時36都道府県まで広がった。沖縄など5県は2月20日、広島、福岡など13県は3月6日に終了した。首相は16日に後藤茂之厚生労働相ら関係閣僚と重点措置の解除の可否を協議した。自治体の要請を踏まえ、全面解除する方針を決めた。
首相は記者会見で「今後しばらくは平時への移行期間だ」と述べた。感染再拡大を防ぐため、マスク着用といった感染防止策に引き続き取り組む。医療提供体制を保ちつつ、経済社会活動の本格的な再開を探る。
政府は新型コロナのワクチンの4回目接種を想定し、計1億4500万回分のワクチンを追加購入する。治療薬はこれまでの650万回に加え、追加で300万回分を確保する。16日以降は企業などの職場で濃厚接触者を特定し、一律に自宅待機などを求める対応を縮小した。都道府県が実施する住民向け旅行割引「県民割」を広げる。4月以降は複数の都道府県でなる地域ブロックで、県境をまたぐ旅行も割引の対象とする。
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2.病院や診療所で支払う料金、4月からかわるの?
3月15日 朝日新聞 デジタル |
Q 病院や診療所で支払う料金が4月から変わるの?
A 保険証を使い診療サーピスを受ける時の料金「診療報酬」の一部が見直される。大きな変更は2年に1回で、次のタイミングが今年4月だ。新型コロナウイルスの本格的な流行後は初めてで、内容が注目されていた。
Q 何が変わるの?
A 例えば、インターネットのビデオ通話機能を使ったオンライン診療を初診で受けた時の料金は2140円から2510円に上がる。自己負担が3割の場合、642円から753円への値上げだ。
Q なぜ引き上げるの?
A 新型コロナ感染を恐れて対面での受診を控える人もいて、オンライン初診は注目されている。
でも対応できる医療機関は全体の約6%。初診料を上げて医療機関の収入を増やして参入を促し、オンライン診療を広げるのがねらいだ。
Q 他に変わる点は?「発熱外来」見つけやすく?
A 新しい感染症に備えて日頃から対策をしている診療所を受診すると、その経費を支援するための料金が、新たに月60円(自己負担3割の場合は月18円)かかる。感染した疑いがある発熱患者を診察する「発熱外来」を、必要なときに開くことをインターネットで公表した診療所が対象になる。
Q 患者の負担ばかりが増えるみたいだね。
A でも今、熱が出ても近所の発熱外来を探すのに苦労する人は多い。新型コロナの検査や診療ができる発熱外来は国内に約3 万5干力所ある。けれども、医療機関名が公表されているのは1月下旬で約7割にとどまっている。経費支援を受ける診療所が公表されることで,発熱外来を見つけやすくなるかもしれない。
Q 負担が減るものは?
A 全額が自己負担となることが多かった不妊治療で保険が使える対象が広がる。医師の判断で1枚の処方箋を最大3 回まで再利用できる「リフィル処方箋」も導入され、再診料を払う回数が減る。ただどれも次の診療報酬の見直しに向けて、効果があったのか調べることは必要だね。
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3.日中の歯のかみしめ 体へ悪影響 コロナ禍のストレスで?無意識に
3月13日 朝日新聞 デジタル |
歯ぎしりやかみしめ、していませんか? 過度にかみしめると、徐々に歯がすり減り、かみ合わせの崩壊や歯の喪失、あごの病気などにつながる。岡山大は寝ている間の歯ぎしりだけでなく、日中の無意識のかみしめがすり減りに影響していることを突き止めた。
すり減りは睡眠中の歯ぎしりが主な原因とされていたが、日中の状態の影響は分かっていなかった。岡山大学医歯薬学総合研究科 咬合・有床義歯補綴学分野の皆木省吾教授や兒玉直紀講師らの研究チームは、歯をかみしめる顔の筋肉の状態を持続的に測れる小型機器を開発。すり減りが中・重度の人と、ないか軽度の人各16人(平均年齢約72歳)で、日常生活のかみしめ状態を調べた。
その結果、中・重度の人は、そうでない人に比べ、睡眠中は約1.5倍、日中では約4.4倍長くかみしめていた。さらに、かみしめる力の強弱を分析すると、歯ぎしりのような強いかみしめだけでなく、歯をこつこつとたたくような弱い力でのかみしめが多いことが分かった。
研究チームは「コロナ禍でストレスが増し、かみしめることも増えているのでは」。結果を分析した北川佳祐医師によると、バソコン作業やテレビゲーム、勉強などに集中している時に無意識にかみしめていたという。「歯のすり減りは生活習慣病のーつといえるでしょう」岡山大病院はかみしめなど不適切な力が原因でかみ合わせが崩壊するパターンを予測し、予防する専門外来の設立準備を進めている。今年中の開設を目指すという。成果は英文歯科専門誌に掲載された。
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4.長崎大病院 抜歯ミス2件相次ぐ「親知らず」でなく別の歯を
3月11日 毎日新聞 |
長崎大病院は10日、口腔外科の歯科医2人が、「親知らず」を抜く手術で誤って別の歯を抜く医療事故を2件相次いで起こしたと発表した。2人のうち指導役に当たる上級医は事故後、患者に送る文書に無断で上司のサインを記すなどしており、長崎大はこの上級医を昨年12月7日付で出勤停止10日間の懲戒処分とした。
同病院によると歯科医2人は2020年12月、30代患者の親知らずを抜く手術で誤って隣の歯を抜歯。その後、外部の調査委員会を設置して再発防止に取り組んでいたが、翌21年4月にも10代患者の手術で同様のミスをした。上級医は同5月、患者らに事故後の治療内容を説明する文書など2通について、承諾を得ずに上司ら3人のサインを代筆。さらにうち1通の発送日を偽って報告していた。
沢瀬隆・副病院長らは記者会見で「患者とご家族に深くおわびする。事態を重く受け止め、組織的に再発防止策の強化、徹底に努める」と陳謝した。 |