1.実費補助に変更へ コロナ対策の報酬上乗せ
朝日新聞デジタル 9月25日 |
新型コロナウイルスの感染防止対策のため、医療機関や介護施設が受け取る報酬に上乗せしている特例について、 田村憲久厚生労働相は24日の閣議後会見で、9月末で打ち切り、補助金に切り替える方向で調整していると明らかにした。特例は9月末が期限のため、延長をめぐって厚労省と財務省が折衝を続けていた。
田村氏は会見で、診療報酬の上乗せで補ってきた感染対策の経費について、「補助という形で切り替えをしていく」と述べ、財務省と調整中だとした。複数の関係者によると、補助金は年内を期限とし、医療機関にー律で配る案を軸に検討されているという。特例は4月から実施され、上乗せ分はフェースシールドをはじめとした防護具の着用や職員研修の実施など感染対策にかかる経費にあてられてきた。医科や歯科の初診,再診料に1回あたり50円、入院の場合は1日100円といった加算も認められてきた。
特例は新型コロナ患者に対応していない医療機関も対象で、財務省内で延長反対の考えが強く、補助金に切り替える方向となった。介護や障害者福祉サービスの基本報酬に0.1%の上乗せをする特例も9月末で打ち切られる見通しだ。診療報酬と同様に補助金への変更を検討している。
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2.ワクチン3回目接種、年内は医療従事者104万人 高齢者は年明け
朝日新聞デジタル 9月22日 |
厚生労働省は22日、「ブースター接種」と呼ばれる新型コロナウイルスワクチンの3回目接種(追加接種)について、自治体向けのオンライン説明会を開いた。今年3〜4月に2回目の接種を受けた医療従事者ら104万人について、早ければ12月に追加接種するという想定を示した。高齢者らの接種は年明けからの見通しで、自治体に準備を求めた。
説明会の資料によると、来年1月には、今年5月に2回目の接種を受けた医療従事者ら200万人、高齢者61万人、その他の一般住民43万人の接種を想定している。その後は2月に1399万人、3月2339万人、4月2251万人が対象として想定されている。市町村は今後、国のワクチン接種記録システム(VRS)や予防接種台帳を確認し、2回目接種が終わって一定期間が経った人を抽出。予診票とー体になった新しい様式の接種券を11月から段階的に発送する。追加接種用の米ファイザー製と米モデルナ製のワクチンは、11月中に医療機関への配送が始まる予定だ。。
厚労省は17日に開いた専門家の分科会で、追加接種の必要性を認めた上で、接種間隔は2回目接種からおおむね8カ月以上とし、対象者は今後判断することとしていた。使用ワクチンは2回目までと同じ種類を基本としつつ、海外の先行事例をふまえ、別の種類も認めるか、改めて検討する。
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3.65歳以上の高齢者、世界最高の29% 就業者に占める割合も過去最高13.6%
讀賣新聞オンライン 9月19日 |
総務省は20日の敬老の日に合わせ、65歳以上の高齢者の推計人口(9月15日現在)を発表した。高齢者は前年比22万人増の3640万人、総人口に占める割合は同0.3ポイント上昇して29.1%となり、いずれも過去最高を更新した。働く人全体に占める高齢者の割合も過去最高となっており、政府は高齢者の就労環境の整備を進めている。
高齢者の男女別内訳は男性1583万人、女性2057万人,世代別では70歳以上は前年比61万人増の2852万人、80歳以上は同46万人増の1206万人となった。一方で、日本の推計人口 (9月15日現在)は1億2522万人で、前年より51万人減少した。国連の調査では、2021年の総人口に占める高齢者の割合は日本がトップで、2位がイタリア(23.6%)、3位がポルトガル(23.1%)などとなっている。
今年1月公表の労働力調査を基にした総務省の集計では、2020年の高齢者の就業者数は前年比14万人増の906万人で、比較可能な1968年以降では過去最多を更新した。高齢者のうちの就業者数の割合は同0.2ポイント上昇して25.1%で、4人に1人を超えた。15歳以上の就業者の総数(6676万人)に占める高齢者の割合も過去最高の13.6%となった。
政府は人口減に伴う労働力不足対策や、社会保障の「支える側」を増やす目的で、働く意欲のある高齢者の就業機会の確保に力を入れている。今年4月施行の改正高年齢者雇用安定法では、70歳までの就労機会の確保を企業の努力義務として定めた。
高齢者雇用に詳しい東京学芸大の内田賢教授(人的資源管理論)は「高齢者の生きがい作りのためにも、働く場の多様な選択肢が求められる。定年後のキャリアを早い段階でイメージすることも重要で、企業側も社員研修などの機会を設けるべきだ」と指摘する。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、総人口に占める65歳以上の割合は2025年には 30%となり、第2次ベビーブーム世代(1971年〜74年生まれ)が65歳以上になる40年には35.3%に達すると見込まれる。
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4.宿の歯ブラシに「脱プラ」の波 コスト増で有料化?
日本経済新聞 電子版 9月19日 |
ホテルや旅館でおなじみの使い捨て歯ブラシに、脱プラスチックの波が押し寄せている。2022年4月に施行予定の「プラスチック資源循環促進法」は、代替材料の使用などを義務付ける。生産コストの上昇は避けられず、客室での無料提供が難しくなる恐れがある。おもてなしの一環だったアメニティーグッズが転機を迎えている。
「どのくらいの値上げ幅ならいいのか」。日本有数の歯ブラシ産地である大阪府内で、あるメーカーが頭を抱えている。ヤシの実を砕いた粉末を混ぜ込んで試作したものの、価格はプラより3割は高くなる。柄の内部に空洞をつくって材料の量を減らせば、口の中で折れたり割れたりしてけがにつながる恐れがある。
一方、仕入れる側の宿泊業者は新型コロナウイルスの影響で青息吐息だ。新法を踏まえた歯ブラシの選定はこれからだが、メーカーとの間に立つ卸売業者によれば、従来の価格維持か値上げをのむとしても1割の幅が限度。「脱プラの必要性は分かるが、コロナの今はタイミングが悪すぎる」。
そもそも使い捨て歯ブラシの現在の価格は驚くほど安い。チューブ入り歯磨き粉のセットで、ビジネスホテル向けが卸売りベースで8円から10円台前半、高級ホテル向けなら10円台。そんな薄利のビジネスで、使用後に回収してリサイクルする余裕はない。毛の根元には固定するための金属が埋まっており、プラだけを取り出すには首から先をいちいち切除しなければならない。
現実的な策として浮上しているのが、歯ブラシを客室に置かず、必要な客だけがフロントから持っていく方式だ。「単価が上がっても本数が減れば、宿泊業者の負担は増えない」。歯ブラシを辞退した客にポイントをつけることで、本数を一段と減らすこども可能だ。
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