1.75歳以上の医療費 悩み深い2割負担 衆院解散、コロナ禍・・どうする菅総理
産経新聞 10月15日 |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で議論が止まっていた、75歳以上の後期高齢者が医療機関で支払う医療費の窓口負担をめぐる問題が、政府の全世代型社会保障検討会議で動き出す。政府は今の原則1割から「一定所得以上は2割」に引き上げる方針だが、来秋までに行われる衆院選が視野に入り、コロナ禍の収束も見通せない中、所得基準を定めるのは容易ではない。
75歳以上の医療費負担をめぐっては、現行制度は原則1割で、年収383万円以上の「現役並み所得」がある人は3割となっている。昨年12月の中間報告には2割への引き上げを盛り込んだが、対象の線引きには結論が出ていない。日本の人口構成を見ると、令和4年から団塊の世代(昭和22~24年生まれ)が 75歳以上になり始め、社会保障費は急増する。75歳以上の1人当たりの医療費は現役世代の約4倍で財源の8割強は公費と現役世代の支援金で賄っている。
財務省は「近年の高齢者の医療費の増加により、支え手である現役世代の保険料負担は重くなっている」と指摘。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は今月8日の分科会で「可能な限り広範囲」を対象に2割負担に引き上げるべきだと提言し、4年度までに改革を実施するよう求めた。検討会議では今後、議論を加速させるが、年末に結論が出るかは予断を許さない。衆院議員の任期満了が来年10月に迫る中、負担増の政策を決めることには与党内で抵抗感が強いからだ。
自民党には「コロナ禍で収入が減った人が多い中、負担増まで強いるわけにはいかない」 (中堅)と難色を示す声は多い。ある現職閣僚も「自民党内がもたない」と漏らす。日本医師会には、2割への引き上げが受診抑制につながりかねないとの懸念がある。 中川俊男会長は「給付を狭めて負担を上げると決め打ちするような議論になっているのが気になる」と指摘する。背景には、財政論に偏らずあるべき社会保障制度を模索すべきだとの思いがあるとみられる。
少子高齢化が加速し、社会保障費が膨張する中、将来世代の負担軽減が必要なのは論をまたない。ただ、降って湧いたコロナ禍は、その制度設計を一層困難にした。会議で議長を務める菅義偉首相が、衆院選に向けた選挙戦略とも絡めながらどう判断するかが注目される。
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2.「2040年歯科ビジョン」公表
毎日新聞 10月16日 |
日本歯科医師会(堀憲郎会長)は15日、高齢化社会で歯科医療が果たす役割をまとめた「2040年を見据えた歯科ビジョン」を公表した。今後20年間の指針にあたるもので、「健康寿命を延ばす」を軸にした五つの目標を実現させるための戦略を盛り込んだ。目標は、疾病予防と重症化予防への貢献のほか、地域を支える歯科医療の推進などからなる。
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3.ナカニシ、米歯科治療台メーカーに出資
日本経済新聞 電子版 10月19日 |
歯科治療器具製造のナカニシは19日、米国の歯科治療台メーカーのDCIインターナショナルLLCに出資したと発表した。全体の33%の持ち分を取得した。取得額は公表していない。開業準備中の歯科医院などにナカニシの製品とDCIの歯科治療台の同時導入を提案し、北米市場での販売拡大につなげる。
オレゴン州に本社を置くDCIは2005年の設立。リクライニングシートや照明、歯科治療用のドリルなどが一体となった歯科治療台を製造販売している。一方、ナカニシは歯科医が歯を削るのに使う医療器具「ハンドピース」を生産している。従来も取引はあったが、出資に踏み込んで協業関係を深める。
ナカニシは月内に全額出資子会社のNSKアメリカホールディングスを新たに設立し、取得したDCIの持ち分を移転する。ナカニシは今回の出資でDCIを持ち分法適用会社とし、今後は最終損益の33%がナカニシの決算に反映される。ただ、未上場企業のDCIの業績は開示されていない。ナカニシは2月に公表した25年12月期までの中期経営計画で、北米と中国を有望市場と位置づけている。
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4.障害ある人のアート作品、学校・病院に貸し出し 佐賀
朝日新聞デジタル 10月13日 |
アクリル絵の具を使い、緑やオレンジの柔らかな線で「肥前 こま犬」を描いた、抽象的な絵画。子供たちはすぐに反応し、「これは何だろう」「おサルさんかな」などと話していたという。佐賀市本庄町の「Sagan歯科・こども歯科」も治療室などに飾りたいと利用を決めた。池田達彦院長(40)は「歯医者に苦手意識や恐怖心を持つ人もいる。清潔感があって、心が和むような作品を置きたい」と話す。貸し出す作品には作者についての説明書きを添える。
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