1.コロナ「後遺症」相次ぐ 息切れや倦怠感 リハビリで軽減目指す
日本経済新聞 7月26日 |
新型コロナウイルス感染後に回復したものの、息切れや倦怠(けんたい)感などに悩む患者の報告が増えている。「後遺症」との見方もあるが、経過や続く期間などは不明だ。国内では実態調査や、リハビリで症状の軽減や予防を目指す動きも出てきた。
イタリアのチームは7月、退院患者143人中9割近くが発症から約2カ月後になんらかの症状があったとする論文をまとめた。最多が倦怠感で患者の53.1%を占めた。呼吸困難(43.4%)、関節痛(27.3%)、胸の痛み(21.7%)と続く。せきや嗅覚障害が続く例もあった。4月からコロナ患者を治療する東京医科歯科大学の宮崎泰成教授も「退院時に倦怠感や呼吸困難を訴える人が多い」と話す。7月に経過観察で数人が再来院し、レントゲン撮影などを受けた。
退院患者の肺機能の低下は世界中で相次ぐ。フランスや中国の病院でも、多くの患者で、肺でのガス交換の異常や肺活量の低下がみられた。感染症に詳しいけいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師は「ウイルス感染により肺胞が壊れ、障害が起きているのではないか」と話す。感染で特にできやすいとされる血栓が原因との見方もある。浜松医科大学の浦野哲盟教授は「肺の毛細血管などの血栓がガス交換を妨げ、息切れなどを引き起こす可能性がある」とみる。
国際学会は必要なら退院後も抗凝固薬の使用を勧める。国内では実態の把握を急ぐ。厚生労働省が調査に乗り出すほか、日本呼吸器学会は、中等症と重症だった退院患者の経過調査を8月中に始める。横山彰仁理事長は「後遺症の実態と危険因子を明らかにしたい」と話す。
後遺症を防ぐ模索も始まっている。東京医科歯科大病院では、入院時からリハビリ治療を積極的に取り入れている。コロナ患者では、数週間の入院で体力が大幅に落ちる。入院中から歩行などのリハビリを実施して筋力維持や血栓予防につなげている。効果の検証はこれからだが「(一部の)後遺症の軽減や予防にもなる可能性はある」(宮崎教授)という。
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2.「避難所の歯医者さん」育成…厚労省が体制整備 携帯型機材 全国に配備
読売新聞 7月25日 |
厚生労働省は、災害時に避難所で歯科医療を提供する体制づくりに本格的に乗り出した。近年、豪雨や台風などの大規模な災害が頻発しているためだ。持ち運びできる歯科医療用機材を全国に配備し、避難所で治療にあたる歯科医師の育成も急ぐ。
厚労省は今年度から、全国の自治体や医療施設、歯科医師会などを対象に、携帯型の歯科医療機材の整備費を負担する事業を始めた。虫歯や歯周病のほか、災害で生じた口内のけがの治療にも使える機材を各都道府県に整備する。一部の自治体からはすでに申請が届いている。被災地で歯科医療に当たる歯科医師らの養成も進める。2018年度から日本歯科医師会に委託し、19年度末までに300人超が研修を終えた。
避難生活では、断水による水不足などが原因で口腔環境が悪化しやすく、口の中の細菌や食べ物が肺に入って起きる「誤嚥性肺炎」を引き起こすリスクも高まるとされる。避難が長期化すれば、口内のトラブルを抱える高齢者らへのケアも必要になる。厚労省の担当者は「避難生活が健康被害につながらないよう、必要な対策を進めていきたい」と話している。
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3.歯科用貴金属の随時改定Ⅰについて
厚生労働省 中医協総会 7月22日 |
22日の中医協総会で歯科鋳造用金銀パラジウム合金の公示価格が10月より低くなることが報告された。随時改定Ⅰは診療報酬改定時以外の4・10月に見直しを行うもので、1g2,450円と現在より212円と低くなる。他の8品目については価格は据え置きとなった。
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