1.令和2年度厚生労働省第二次補正予算について
日本歯科医師会 7月8日 |
日本歯科医師会はこのほど、「令和2年度厚生労働省第二次補正予算について(情報提供)」を日歯HP・メンバーズルームに掲載しました。第二次補正予算で歯科に関連する事項について、厚生労働省と意見交換を行った結果を下記の通り示しています。
■新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業
○対象者
1歯科診療所に勤務する患者と接する医療従事者(1名につき5万円支給。歯科医師、歯科衛生士以外に事務職員や歯科業務の補助を行う者で、患者と接する業務に従事する者が対象。歯科技工士は、歯科診療所に勤務し、患者と接する業務に従事する場合は可)
○対象期間
下記の期間のうち、延べ10日間以上出勤した者で、勤務形態は問わない
・感染症患者1例目が緊急事態宣言前に発生または受入している都道府県
―1例目の発生日または受入日のいずれか早い日〜令和2年6月30日の間
・それ以外の都道府県(新型コロナウイルス感染患者が発生していない都道府県も含む)
―緊急事態宣言の対象地域とされた日(令和2年4月16日)〜令和2年6月30日
■医療機関・薬局等における感染拡大防止等の支援
○対象期間
令和2年4月1日〜令和3年3月31日
○対 象
感染防止対策等に必要な物品等の購入や設備の整備等に最大100万円の実費補助
○対象例
感染防護衣等の衛生用品の購入、消毒用エタノール等の消毒薬等の購入、ビニールカーテン等の感染防止対策に必要な動線の確保やレイアウト変更等に必要な設備等
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2.マスク1枚10円台に急落 参入組、生き残りへ知恵絞る 企業名を印字、夏用に薄手タイプ
日本経済新聞 電子版 7月4日 |
新型コロナウイルスによるマスク需要の高まりを見込んで異業種から参入した中小企業が、採算の確保に苦心している。安価な輸入品が流通するようになり、国産品も大手企業が生産量を増やしているためだ。新型コロナの「第2波」などで再び需給が逼迫する可能性があり、参入組はマスクへの印字サービスや通気性のいい夏用の開発など事業継続の道を探っている。
「国産マスクは1枚50円程度で売らないと事業を続けられない」。4月から3層構造の不織布マスクの生産を始めた業務用洗浄機メーカー、ショウワ(兵庫県尼崎市) の藤村俊秀社長は話す。マスク製造機は一機当たり数千万〜1億円程度と高額。―時の原材料の高騰もあり今のところマスク事業は赤字だ。
通販マスクの価格比較サイトを運営するアスツール(東京・渋谷)によると1枚当たりの平均価格は4月の70円台から6月下旬には10円台後半となり、7月2日は16円だった。安価な輸入品が増えている。国産の高価格帯でも、大手とはブランド力や大量発注への対応、販路に差がある。ショウワは接客業向けに企業名を印字し、夏場の工場向けには薄手タイプなど高機能品を開発。10月までにマレーシアの他社工場で廉価タイプの委託生産も始め、品ぞろえを拡充する。
靴メーカーの三倉(神戸市)は6月に布マスクの生産をー時停止した。足元で注文は4月の10分の1に落ち込み、約5千枚の在庫を抱える。谷山貴彦社長は「付加価値を高める必要がある」として、7月中に通気性を良くした夏用の新製品を発売する。ダンス衣装などを手掛ける名和(大阪市)も日焼け防止の布マスクを発売する予定だ。
国内で流通するマスクの量は輸入を含め月9億枚強とされる。日本衛生材料工業連合会の高橋紳哉専務理事は「『第2波』の可能性を考えると足りているとはいえない」と話す。再び輸入品が入ってこなくなる局面も想定され、国産マスクの供給力が求められる。あるメーカーの社長は「リスク分散のためにも国産品は必要。企業はノウハウを共有するなど協カし合うべきだ」と訴える。
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3.インビザライン、歯列矯正をアプリで管理
日本経済新聞 電子版 6月30日 |
マウスピースを使った歯列矯正を手掛けるインビザライン・ジャパンは、スマートフォンアプリを活用した治療サービスを始める。歯並びがどう変わるかを3Dデータにして、歯科医師と患者が目で見て分かる治療計画を作成。進捗状況を医師が遠隔で確認し、次の治療に進めるようにする。新型コロナウイルスの影響で頻繁な外出を控える人が増える中、デジタル技術で通院の手間を減らし、歯科医院の患者獲得も後押しする。
7月から始める新サービスは2種類のスマホアプリを用いる。治療開始前に使う「インビザライン・バーチャル・アポイントメント」は、治療スケジュールなどについて歯科医師とビデオ通話で相談し予約ができる。もう1つの「インピゼザライン・ バーチャル ケア」は治療が予定通り進んでいるか、ビデオ通話で歯科医師が確認できる。同社システムの特徴は3Dデータを活用して治療計画を立てることだ。初期状態から理想的な歯列に至るまでをコンピユーター上で試算する。各段階でマウスピースを用意し、最大0.2ミリメートルずつ歯を動かす。進捗に応じて次の段階に進み、目標に近づける。歯科医師と患者が3Dデータで視覚的に治療状況を共有できる利点がある。
インビザライン・ジャパンはマウスピース型歯列矯正の世界最大手である米アライン・テクノロジーの日本子会社。口腔内スキャナーの「iTero(アイテロ)エレメント5D」と、そのデータを生かすマウスピース矯正治療「インビザラインシステム」が主要製品だ。同社の松本貴嗣社長は「歯列データの取得から治療計画の立案、マウスピースの作成までデジタルで完結できる。アプリサービスの開始で、通院の必要性も最小限に減らせる」と話す。同社システムの世界の累計患者数は800万人を超える。潜在的な患者数はアジア太平洋地域で約1億人いるとみられる。日本は有望な市場と位置づけており、ウェブとリアルを合わせて歯科医師向けのイベントを継続して開催している。
インビザラインのマウスピースは社名の由来にもなっている「インビジブル(目に見えない)」を売り物にしている。 「矯正中も患者さんが(歯を見せられる)いい笑顔ができるようにサポートしたい」歯列矯正でマウスピース型は15%、85%はワイヤで行う従来方式だ。しかしワイヤは食事中にずれたり切れたりし、急な通院が必要になることも多い。マウスピース型は外して食事ができるほか、歯磨きもしやすく口腔内を清潔に保てるメリットがあり、徐々にシエアを伸ばしている。同社は若者らが親しみやすいアプリサーピスでマウスピース型歯列矯正を始めやすい環境を整え、新たなユーザーを取り込む考えだ。
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