※このメールが正しく表示されない場合は、ここをクリックしてブラウザで表示させて下さい。
(その際、会員専用ページのユーザー名とパスワードの入力が必要です)
※このアドレスはメールマガジン送信専用のアドレスとなっております。お問い合わせの場合はhonbu@koyu-ndu.gr.jpまでお願いいたします。


日本歯科大学メールマガジン

第432号 2019年6月10日

日本歯科大学メールマガジン

令和元年    
6月10日(月)   ・定期健康診断(~12日) 新潟校
11日(火)   ・6年マッチング説明会 16時半 東京校
12日(水)   ・既卒マッチング説明会 17時 東京校
15日(土)   青森県校友会総会 14時 青森市 ホテル青森
香川県校友会総会 15時半 高松市 JRホテルクレメント高松
愛媛県校友会総会 15時 松山市 ANAクラウンプラザホテル松山
16日(日)   茨城県校友会総会 14時 水戸市 水戸京成ホテル
22日(土)   福島県校友会総会・懇親会 14時 福島市 コラッセ福島
長野県校友会通常総会 15時 諏訪市 RAKO華乃井ホテル
25日(火)   学内校友会総会 12時半 九段ホール
27日(木)   ・6年本試験①(~28日) 東京校
29日(土)   愛知県校友会定時総会 16時 名古屋市 名古屋栄東急REIホテル
鳥取県校友会設立百周年記念式典・祝賀会 16時半 鳥取市
    ホテルニューオータニ鳥取
    宮城県校友会総会 17時 仙台市 仙台国際ホテル
30日(日)   千葉県校友会総会・懇親会 15時 千葉市 京成ホテルミラマーレ
大学・校友会共催 入試説明会 13時半 九段ホール
栃木県校友会総会・学術研修会 13時半 宇都宮市 ホテルニューイタヤ
7月6日(土)   島根県校友会総会・懇親会 16時半 松江市 松江ホテル一畑
7日(日)   岐阜県校友会総会・学術研修会 12時 岐阜市 ホテルグランヴェール岐山
埼玉県校友会総会 14時 深谷市 埼玉グランドホテル深谷
ポストグラデュエート・コース Aコース 9時 生命歯学部
13日(土)   ・1〜4年夏季休業開始(1・4年〜8/19 2・3年〜8/20)新潟校
15日(祝)   生命歯学部68回生 40周年クラス会 11時 六本木ヒルズクラブ
23日(火)   ・1〜4年夏季休業〜8/30 東京校
25日(木)   ・5年前期授業中断 東京校
27日(土)   和歌山県校友会総会 15時 和歌山市 ホテルグランヴィア和歌山
 

日本歯科大学メールマガジン
http://www.koyu-ndu.gr.jp

1.役員会からの掲示板を更新しました。(5/28・29 6/4・5・6)
2.メールマガジン431号を掲載しました。(5/27)


*趣味の世界で異能を発揮している校友の情報をお寄せ下さい 自薦・他薦可
ホームページ「Hobbyな人々」に掲載します

 
日本歯科大学メールマガジン

1.住友雅人名誉教授が4選 日本歯科医学会 会長選挙

 任期満了に伴う日本歯科医学会の役員(会長)選挙で、現職の住友雅人(58回卒)会長が4期目の当選を果たした。選挙には東北大学大学院歯学研究科長・歯学部長の佐々木啓一氏も立候補しており、3日の臨時評議員会での投開票の結果、全68票(有効票67票)のうち、住友氏が45票を獲得した。任期は7月1日から令和3年6月30日まで。副会長と理事については、後日、会長が指名等した副会長と理事を評議員会で承認したものとして取り扱うことが賛成多数で承認された。
 当選後のあいさつで、同氏は、評議員からの支持に感謝の意を示し、「次の2年間で取り組むことは決まっているので、早々明日から準備に入る。日歯と連携し、社会に貢献していく」と意気込みを語った。

2.保護者説明・懇親会

 生命歯学部全学年に対する、令和元年度保護者説明・懇談会がテーマを「情報の共有化と学生支援の協力強化」として開催された。1〜4.6年保護者に対する説明会が、富士見ホールからのサテライト配信という形で学生部副部長 宮坂孝弘先生の司会で行われた。
 沼部幸博生命歯学部長の挨拶、五十嵐勝教務部長の教育システム、菊池憲一郎学生部長の学生生活についての講話に続き、校友会についての概要を藤井重壽副会長が話した。校友会に与えられた時間は10分あったが、校友会の現況と学生に対する事業について話をして、卒業時にはぜひ入会して欲しい旨を伝えた。
 5年の保護者に対しては、附属病院8階の牛込ホールで学年副主任 石垣佳希先生の司会で同様に行われた。そして説明会終了後、メモリアルホールで懇親会が開催され、多くの保護者たちが参加した。

3.創立記念式典とジュビリー5025

 令和元年6月1日(土)午前10時30分から生命歯学部富士見ホールにて創立113年記念式典が厳かに執り行われた。本学教職員と、新潟生命歯学部学生の代表者、校友会会員等の300名が参列した。名誉博士号に近藤悦子先生(54)、ベストティーチャー賞には発生再生学の井出吉昭先生、小児歯科学の三平伸也先生が授与された。永年勤続30年と20年の表彰も行われた。
 卒後50年と25年の校友会会員には同日に特別参列制度(ジュピリー5025)により、大学と校友会よりお祝いされた。校友会会員の卒後50年(58回)34名、卒後25年(83回)27名校友会から各々のゴールドバッチ、シルバーバッチと卒業時の日本歯科大学新聞が送られた。大学からは中原實作絵画の図書カードと祝賀会に招待された。
 毎年この日は、大学のご好意で図書館が特別開館されている。所蔵医学関係書数は13万冊の他には類をみない医学図書館であるため、今回の多くの参加者が見学された。そしてホテルグランドパレスでの大学主催祝賀会では、大学教職員と各種受賞者が懐かしくも楽しい時間を過ごすことができた。

創立記念式典とジュビリー5025

※画像が見られない方はこちら

創立記念式典とジュビリー5025

※画像が見られない方はこちら


4.校友会定時総会

 5月25日(土)に富士見ホールで第132回定時総会が開催された。総会に先立ち顕彰式が行われ、まず近藤勝洪会長の式辞と中原泉会頭の祝辞があった。平成30年秋の叙勲者8名と31年3月の叙勲者1名と白寿会員4名が表彰され、今年は春の叙勲者は改元のため発表が遅れたために表彰が来年に延期となった。
 総会は佐藤全孝常務理事の司会で進行され、近藤会長・中原会頭と渡邉文彦歯学会会長による挨拶につづき、井田満夫(64回)先生が議長に選出された。各部報告の後、議事では第1号議案から第11号議案までの協議が行われ、役員改選では近藤会長の留任と常任監事には鴨田博司(62回)先生、監事には井田満夫先生と伊藤直樹(66回)の新任が決まり、会頭より承認された。そして佐藤真奈美(73回)日本歯科医師会理事と鴨田博司日本歯科医師連盟常任監事による報告があり閉会となった。
 なお、共済制度と会員功労金については校友会ホームページをご覧ください。

5.歯の細胞バンク コーディネーター講習会

 5月19日(日)、23日(木)に標記講習会が日本歯科大学生命歯学部171講堂で開催された。歯の細胞バンク認定医の歯科医院に所属する29名の歯科衛生士の他に、認定医の受講もみられた。
 はじめに、中原貴教授(生命歯学部発生・再生医科学講座)より、「歯の細胞バンク〜概要と意義〜」と題し、同事業の意義やコーディネーターの役割、また歯髄細胞の有用性と歯の細胞バンクのさらなる活用について提案がなされた。つづいて、望月真衣助教(生命歯科学講座)は、歯の細胞バンクの具体的な書類の作成方法や抜去歯の処理と送付方法について、実際の書類や抜去歯送付用キットを用いて説明が行われた。おわりに、小林朋子助教(生命歯学部共同利用研究センター)からは、細胞培養加工施設(CPF)についての説明に加え、歯髄細胞の分離から培養の流れの説明が行われた。
 歯の細胞バンクコーディネーターは、将来の再生医療にもちいる歯の細胞を保管する「歯の細胞バンク」について、患者さんにわかりやすく説明し、細胞を預ける同意をいただくことで、認定医のサポートを行う。本講習会は、同事業の概要と意義を認識し、患者の対応から書類作成、抜去歯の送付に渡ってコーディネーターとしての具体的な役割が詳細に説明され、「歯の細胞バンク」の理解を深める良い機会となった。

歯の細胞バンク コーディネーター講習会

※画像が見られない方はこちら

日本歯科大学メールマガジン

1.マイナンバーカード 保険証に 22年度中に全国で
 6月4日 日本経済新聞 電子版  

 政府は4日、首相官邸でデジタル・ガバメント閣僚会議を開き、マイナンバーカードの普及に向けた総合的な対策を決めた。2021年3月から健康保険証として使えるようにし、22年度中に全国のほぼすべての医療機関が対応するようシステムの整備を支援する。21年分の確定申告からはカードを使って簡単に医療費控除の手続きもできるようにする。
 マイナンバーカードの交付実績は5月30日時点で約1702万枚にとどまる。政府が決定した対策には「22年度にほとんどの住民が保有していると想定する」と明記し、3年後をメドに1億枚以上を普及させる方針だ。8月をメドに具体的な工程表も公表する。普及策の柱の一つが、健康保険証の代わりに医療関連のサービスで利用できるようにすることだ。保険証は日常的に利用する人が多いため、代用できれば普及が進むとみている。医療機関にはカードの読み取り端末が必要になるため、政府が支援する。オンラインで資格を確認するため、失効した保険証の不正利用などを防ぐ効果もある。
 医療費控除の手続きも簡単にする。利用者はまず、確定申告する際に国税庁のサイトからマイナンバーカードで個人認証する。「医療費通知」のボタンを押すと、1年分の医療費の合計額がサイト上で一覧できるようにする。合計額が控除の適用基準を超えていた場合は、そのままサイト上で申告もできる。
 政府の運営サイト「マイナポータル」で様々な医療情報も閲覧できる。21年3月からは特定健康診査(メタボ健診)の情報、同年10月からは過去の投薬履歴を見ることができるようにする。20年度からはカードを使って買い物をすれば国からポイントの還元が受けられる仕組みも導入する。地方自治体が指定する小売店や通販サイトで利用できる。早期にカードの取得申請をした人には還元率を割り増すことも検討する。いまはカードを取得するには自治体の窓口に出向く必要がある。
 今後は、企業やハローワーク、学校、郵便局、病院、介護施設などに自治体の職員が足を運び、その場で申請を受け付ける取り組みも始める。申請が集中して配布が滞ることがないように、どのように交付する力の実行計画をつくるよう自治体に求める。普及率を高めるため、国家公務員や地方公務員は19年度中にカードを取得するよう促す計画だ。
 菅義偉官房長官は4日の会議で「行政のあり方を大きく変革する、今後を左右する取り組みだ」と述べた。「具体化にあたっては、従来の考え方や慣習にとらわれず取り組んでいきたい」と語った。

2.新潟の12歳、なぜむし歯少ない 19年連続日本一の理由は
 5月30日 毎日新聞

 6月4日はむし歯予防デー。文部科学省の調査によると、2018年度の新潟県内の12歳児のむし歯の本数は平均0.3本で、19年連続で全国一少ない。だが、県内の高齢者の歯の保有率は意外にも低いという。その理由とは?
 文科省は毎年度の学校保健統計調査で、永久歯がほぼ生えそろう12歳児のむし歯数を調べている。それによると、18年度の全国の平均むし歯本数は0.74本。新潟県は全国の2分の1未満という好成績で、中学1年〜高校3年のむし歯保有者の割合も、全ての学年で全国最少だった。だが、昔から県内の子どものむし歯の数が少なかったわけではない。記録の残る1980年の県内12歳児の平均むし歯数は5.03本もあった。19年連続の「むし歯の少なさ日本一」に輝く転機になったのは、新潟大歯学部が70年に始めた、フッ素による口すすぎ活動だ。
 フッ素には、まだやわらかく虫歯になりやすい子どもたちの歯質を強くする作用がある。同学部は「むし歯の本数を減らす方法を教えてほしい」という弥彦村の相談に応じ、全国で初めて同村立弥彦小学校でフッ素溶液による口すすぎを実施した。活動はその後、県内各地の幼稚園や小、中学校に普及。子どもたちが朝の学活の時間にフッ素溶液で口をすすぐ姿は、県内全域で見られるようになった。県は81年から、保育園や幼稚園 小中学校でフッ素溶液によるすすぎを行う市町村に経費の3分の1を補助している。県健康対策謀は「昨年度の小学校での歯磨き率は95.7%、フッ素溶液の口すすぎも91.8%と実施率が高いことが日本一を継続できている理由では」としている。
 一方で、同課が頭を悩ませているのが高齢者の歯の保有率の低さだ。日本歯科医師会は「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という「8020運動」を推進しているが、県内の達成率は39.1%(15年)。せっかく子どものころに身についた習慣が、大人になるにつれて忘れられていることが原因とみられている。こうした状況を立て直すため、県や歯科医師会などはてこ入れを図る。県は今年度から、大学や専門学校、企業に試験的に歯科検診や指導をする実態調査を始めることにした。県歯科医師会も「自分の歯でおいしく食べよう」と高齢者などに呼びかけている。県健康対策課は「歯の健康のための心がけや行動が当たり前となり、新潟の文化となってくれれば」と期待を込める。

3.オンライン診療なぜ広まらず? 全国アンケで見えた課題
 5月29日 朝日新聞デジタル

 パソコンやスマートフォンを使って自宅などで受診できる「オンライン診療」の利用が広がっていない実態が、医療機関へのアンケートで分かった。厚生労働省は昨年3月に指針を作り、翌月から一部で保険適用されたが、普及には時間がかかりそうだ。
 医療関連サービス振興会が昨年9〜12月に全国の4千病院を対象にアンケートし、994ヵ所が回答した。指針について「知っている」は67.8%で、「読んだことがある」は50.0%だった。一方、「実施している」は1.1%にとどまり、実施していない919カ所のうち78.7%は「実施の予定はない」とした。 
 オンライン診療の問題点や不安点については、複数回答で「情報セキュリティーの確保」「通信環境整備の費用負担」「対面診療と比べて入手できる情報の限界」が、いずれも35%前後で多かった。実施していても、頻度は低い。日本オンライン診療研究会が、オンライン診療に関心がある医師154人を対象にしたアンケート(昨年12月〜今年1月)によると、過去3カ月以内に実施したのは7割で、このうち実施回数を答えた78人のうち69%(54人)は、1カ月あたり5回未満にとどまっていた。
 過去3カ月以内にオンライン診療をした医師に「オンライン診療料」を算定したかについて聞くと回答した78人のうち60%がまったく算定していなかった。保険診療について「縛りが強すぎる」「対象疾患の拡大」など要件の拡大や緩和を求める意見があった。

4.診療所チェーン、新興勢が伴走 事前問診やカルテ共有
 5月27日 日本経済新聞 電子版

 ITのスタートアップ企業が診療所チェーンの運営支援に取り組み始めている。インターネットで事前に患者を問診するなど、診療の効率化で医師らの働き方の見直しを支える。勤務シフトや電子カルテの仕組みも一体で提供し、助言する。医療現場の慢性的な人手不足の中で、「かかりつけ医」として重要性が増す診療所の経営をサポートする。
 「医師に相談されたい症状を選択してください」。自宅にいながらスマートフォンで熱や下痢など子供の症状について書き込み、診療を予約。診療所に出向くと、ほとんど待つことなく医師が診察を始める。
 東京都墨田区で4月、小児科中心の医療法人ナイズ(東京・渋谷)が新たなクリニックを開いた。目指すのは、ITで患者の待ち時間を減らすとともに医師や看護師の負担を軽くする現場だ。スタートアップのCAPS(キャップス、同・港)が運営・システムを支える。事前の問診は電子カルテに自動で反映。「医師がカルテに打つ仕事が減り、患者に集中できる」(鶴谷武親社長)クラウドで電子カルテを共有できる。同じ診療所グループであれば患者はどの拠点でも受診できる体制をつくれる。ナイズの拠点は8月に8カ所に増える。キャップスには医師も参画し、勤務シフトづくりも含めてITで質の高い現場をどうつくるか提案する。
 医師が不足する中でも高齢化で患者は増える。ナイズは、医師らが子育て中であったり研究との両立に多忙であったりする事情に配慮しつつ、少しの時間でも勤務できる仕組みを目指す。それが可能なら365日休まず運営できるという。IT大手も医療システムを開発してきたが、中小診療所が使いこなせない場合も多い。そこに目を付けるスタートアップには資金が集まる。
 医師出身の金子和真氏が最高経営責任者(CEO)に就くリンクウェル(同・港)はDCMベンチヤーズやソニーイノベーションファンドなどから約3億5千万円調達した。仕事の忙しい30〜50代も受診しやすい仕組みに商機を見いだし、ネットによる事前問診などITで運営を支える。18年10月に東京都港区で最初の支援先が開業。20年中に10カ所以上に増やす。両社が参考するのは米国でITを使った診療所を70カ所以上展開するワンメディカルだ。オンライン診療やデータ共有などを積極的に導入。18年にカーライル・グループから3億5千万ドル(約390億円)を調達した。
 金子CEOは、日本の医師不足と高齢化の課題に「テクノロジーの活用と現場の働き方見直しの両輪で取り組まないと改善しない」と話す。キャップスとリンクウェルは医師がメンバーとして参画し、患者も働く人も効率的に動ける診療所づくりに挑んでいる。

 
日本歯科大学メールマガジン

歯科界における諸問題のポイント

レセプト電子化について

常務理事 大井 了

【はじめに】
 レセプト電子化とは、レセプト(診療報酬明細書)のオンライン請求の義務化を指す。「レセプトオンライン化」ともいう。
 2006年4月10日付けの厚生労働省通知(療養の給付、老人医療及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令の施行について)により、2011年度から、一部の例外を除きすべての医療機関(病院、診療所、薬局)はオンラインによるレセプトの請求が義務づけられることになった。この一部の例外とは、レセプトを手書きで作成していること、(ただし電子レセプト請求ができるように努めることが条件)常勤の保険医・歯科保険医が2011年4月1日時点で65歳以上の場合は、審査支払機関に免除届を提出することで、書面による請求を行うことができることである。
 保険医療機関又は保険薬局が、電子レセプトをオンライン又は電子媒体により審査支払機関に提出し、審査支払機関において、受付、審査及び請求支払業務を行い、保険者が受け取る仕組みで、保険医療機関・保険薬局、審査支払機関及び保険者を通じて一貫した整合性のあるシステムを構築し、業務量の軽減と事務処理の迅速化を実現することを目的としている。このことによりすべての医療機関・審査機関・支払い側3者にメリットがあるといわれた。

【レセプト電子化の概要】
 従前は、この医療費の請求を紙のレセプトで行っていたが、保険医療機関・保険薬局、審査支払機関、保険者の医療保険関係者すべての事務の効率化の観点から「レセプト電算処理システム」が構築され、現在では、ほとんど電子レセプトによる請求となっている。
 電子レセプトとは、紙レセプトのように、定められた様式の所定の場所に、漢字やカナ、アルファベットによって傷病名や診療行為を記録(記載)する方法と異なり、厚生労働省が定めた規格・方式(記録条件仕様)に基づきレセプト電算処理マスターコードを使って、CSV形式のテキストで電子的に記録されたレセプトのことを言う。
 電子レセプトは、コンピュータで扱うフォーマットであり、保険医療機関・保険薬局、審査支払機関及び保険者に共通仕様となっている。

【オンライン請求システムと電子媒体による請求システム】
 オンライン請求システムは、保険医療機関・保険薬局と審査支払機関、審査支払機関と保険者等を、全国規模のネットワーク回線で結び、レセプト電算処理システムにおける診療報酬等の請求データ(レセプトデータ)をオンラインで受け渡す仕組みを整備したシステムである。
 このオンライン請求システムのネットワーク、オンライン専用の認証局及び基本的なソフトウエアの構築については、支払基金と国保中央会が共同で基盤整備を行っている。オンライン請求で使用する電気通信回線は、厚生労働省からの通知により、「ISDN回線を利用したダイヤルアップ接続または、閉域IP網を利用したIP-VPN接続、または、オープンなネットワークにおいてはIPsecとIKEを組み合わせた接続」によるものとされている。
 また、オンライン請求に関するセキュリティーについては、厚生労働省からの通知により、電子証明書による相手認証及びデータの暗号化対策、ID・パスワードによる厳格なユーザ管理を行うなどセキュリティー対策を十分講じることとされている。
 電子媒体による請求システムは、レセプトコンピュータを導入し、レセプト請求用のファイルを作成し、それをフロッピ-ディスクやCD-R(光ディスク)などに書き込んで、支払基金や国保連合会へ郵送することになる。

【2019年1月分請求状況】
 歯科68,976機関数のうち電子レセプト請求しているのは61,377機関(89.0%)、その中でオンライン請求数は11,852機関(17.2%)、電子媒体による請求数は49,525機関(71.8%)、紙レセプトによる請求数は7,599機関(11%)となっている。
 病院、診療所を含む医科全体93,885機関数のうち電子レセプト請求数は89,224機関(95%)、その中でオンライン請求数は63,916 機関(68.1%)、電子媒体による請求数は25,308機関(27.0%)、紙レセプトによる請求数は4,661機関(5.0%)となっている。
 調剤では57,830薬局数のうち電子レセプト請求数は56,563薬局(97.8%)、その中でオンライン請求数は56,021 薬局(96.9%)、電子媒体による請求数は542薬局(0.9%)、紙レセプトによる請求数は1,267薬局(2.2%)となっていて、いずれも歯科と比べて高いオンラインでの請求率となっている。

【医科の電子レセプト請求と歯科の電子レセプト請求】

 2001年日本医師会は、日医IT化宣言として医療現場のIT化を進めるため、土台となるネットワークづくりを行うことを宣言した。この宣言は、まず各医療現場に標準化されたオンライン診療レセプトシステムを導入し、互換性のある医療情報をやりとりできるようにする計画(ORCA、Online Receipt Computer Advantage)を推進し、この計画のために日医が開発したプログラムやデータベースはすべて無償で公開する。医療現場の事務作業の効率化を図り、コストを軽減させると同時に、誰もが自由に利用できる開放的なネットワークを形成し、国民に高度で良質な医療を提供することをめざすとされている。
 一方日本歯科医師会では、レセプト電算処理検討委員会をはじめ多くの執行部が検討を重ね、薬科・医科が電子化に対応していく中で国と折衝し会員が対応できるよう落としどころを模索し、当時日本歯科医師会の担当副会長であった、近藤勝洪校友会会長が中心となって進められていった。
 また年齢制限や枚数制限、補助金の得方・使い方など会員に周知する一方で医科のようなオルカプロジェクトを模索した。日歯もレセックというASP型レセコンを出したが多くの会員は現状システムをバージョンアップすることを選択した。時間の制限や記録条件使用がレセコン業者に周知されたため各社で思いのまま基本部分を作りこんだことや費用対効果の問題があり、個々の歯科医院で対応せざるを得なかった。このことが歯科ではオンライン請求より電子媒体請求が多い一因であると考える。

【まとめ】
 2006年、省令により診療報酬の請求方法としてオンラインによる方法が追加された。また、支払基金から保険者に対しても、厚生労働省の通知により2007年にオンライン請求が開始された。こうした流れは、医療保険事務の効率化を主目的とし、2011年を目標にオンライン請求による全医療機関の電子化が図られたが完全電子化とはなっていない。
  全体の医療機関数・薬局数での電子レセプト請求は93.9%、オンラインが59.7%、電子媒体が34.2%、紙レセプトが6.1%となっている。薬局ではオンライン請求数が96.9%となっているのに比べて、歯科でのオンライン請求数は17.2%に留まっている。つまり多くの歯科医療機関が、レセプトコンピュータを導入し、レセプト請求用のファイルを作成しておきながら、わざわざそれをフロッピ-ディスクやCD-Rなどに書き込んで、支払基金や国保連合会へ郵送している現状が見えてくる。
 今の時代インターネットへの接続環境がないという理由はほぼありえないと思う。そこには歯科におけるオンライン請求のデメリットが存在する。レセプトのオンライン請求義務化への移行期間が短かったこと、システム開発のベンダーが多数ありそれぞれの共通性がないこと、一医療機関の請求件数が少ないこと等が導入への妨げとなってしまったと思われる。
 では逆に、現状のオンライン請求のメリットと考えられるのは、審査機関では審査終了後のレセプトを再入力してデータ化していた作業が省け、事務点検では機械審査が可能で支部間格差解消になる。保険者では、再審査がしやすく縦覧審査や医療機関間での投薬回数などの患者毎のデータベース作成ができる。医療機関では、他の二者ほどのメリットはないが、レセプトの受付時間が延長され、事前チェックができ安全性が確保される。審査後の増減点連絡書データをダウンロードできて、審査後の返戻レセプトデータをダウンロードできる。国では容易にデータベースを蓄積しやすく、再利用可能なデータを集めやすい、などが考えられる。
 令和元年10月1日から施行される「医療情報化支援基金の創設」において「マイナンバーによるヘルスデータ環境作り」の際、我々歯科医療機関側にも移行しやすい支援を得られるような環境作りが急務であると思う。そうすれば歯科医療機関側もオンライン請求の導入を今一度考慮するに値するかもしれない。

参考文献
社会保険診療報酬支払基金HP
https://www.ssk.or.jp/index.html
日本歯科医師会HP
日本医師会HP

 
校友会会費納入の確認について
※新卒者は入会時に4年分の会費を納めていただいております。
 4年後(今年は105回卒)からの会費納入をお忘れないようにお願いいたします。 
 その後2年間未納の方は自然退会となりますのでご注意ください。
 最近、送付物等が校友会から届かない会員の方は、事務局までお問い合わせください。
 
校友会会員専用ページ
 会員のみが閲覧できる専用のページがあります。校友会本部HP上で、「会報バックナンバー」の表示をクリックしたときに「ユーザー名」欄、「パスワード」欄のある画像が出ましたら校友会・歯学会会報のクリップボードに掲載されている記号数字をそれぞれ半角で入力をお願い致します。
 このページからコピー&ペーストされても結構です。ユーザー名およびパスワードは大切に保存をお願い致します。
 
メールアドレス登録・再登録のお願い
 校友会本部では、インターネットが会員への情報伝達を効率化、迅速化する上で有力な手段であると考えています。ぜひとも大多数の会員が本会から発せられるインターネットでの情報を受信できるよう、普及にご協力ください。お知り合いの会員で、まだ登録されていない、あるいは登録したけれどもメールマガジンが届かないという方がいらっしゃいましたら、 校友会本部HP(http://www.koyu-ndu.gr.jp/)でのメールマガジン登録あるいは再登録をお勧めください。

日本歯科大学メールマガジン

日本歯科大学メールマガジン

バックナンバーはこちらから