1.健康保険組合 医療費抑制 がん、糖尿病重視 歯科後回し
11月10日 毎日新聞 |
全国の健康保険組合が、がんや糖尿病など中高年に多い病気の対策を優先させる一方、歯科を重く見ているのは1割未満。そんな調査結果を東京大の研究ユニットがまとめた。歯科を重視すれば医療費全体の削減が見込まれるが、現実には後回しになっている実態が浮かんだ。
東京大政策ビジョン研究センター・データヘルス研究ユニットが、健保のデータを集めた「データヘルス・ポータルサイト」にある「健康保険組合連合会」(健保連、約3000万人)の情報を基に分析した。2016年度の1363組合を調べたところ、がんの医療費抑制を重視していたのは513組合。糖尿病なども529組合だったが、歯科は128組合にとどまった。健保連によると、歯科の1人当たりの医療費は年間約1万7000円で、がん(約1万6000円)や糖尿病(約1万3000円)より高い。ブラッシングの徹底などの予防策を取れば、加入者自身が健康になるうえ、医療費全体の抑制にもつながるという。
研究ユニットの古井祐司・特任教授は「中高年に多い生活習慣病にばかり目が向いている実態が分かった。予防可能な歯の対策にも取り組むべきだ」と話す。
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2.東京商工リサーチ、第8回「全国女性社長」調査結果を発表
11月8日 日本経済新聞 電子版より一部抜粋 |
全国の女性社長は41万1969人で、調査を開始した2010年の21万人からは2倍増になった。産業別では、飲食業などのサービス業他が約5割を占めた。一方で、都道府県別ではサービス業が好調な地域や大都市で女性社長率が高く、低い地域との格差は依然として開いたままだ。
政府は「女性の活躍推進」を標傍する中で補助金などの起業支援も打ち出しているが、家事や育児、介護などの現実的な課題についても、どう支援していくかが重要になっている。
女性社長出身大学と人数
1. 日本大 |
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397名 |
2. 東京女子医 |
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310 |
3. 慶応義塾 |
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281 |
4. 早稲田 |
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233 |
5. 青山学院 |
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205 |
6. 日本女子 |
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182 |
7. 同志社 |
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149 |
8. 日本歯科 |
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132 |
9. 上智 |
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132 |
10. 共立女子 |
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129 |
以下、歯科大学では40位 神奈川歯科 67名、43位 大阪歯科 65名であった。
※本調査は、東京商工リサーチの保有する約480万社の経営者情報(個人企業を含む)から、女性社長(病院、生協などの理事長を含む)を抽出、分析した。調査は今回が8回目。
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3.「歯のホワイトニングで炎症」地裁支部、歯科医師に賠償命令
11月8日 神奈川新聞 |
歯を白くする「ホワイトニング」の施術後、下唇が腫れるなどの健康被害が生じたとして、川崎市宮前区の男性(83)が、同市高津区の歯科医院に約590万円の損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁川崎支部(飯塚宏裁判長)は7日までに、医院側に約89万円の支払いを命じる判決を言い渡した。判決は9月25日付。医院側は判決を不服として控訴している。
判決によると、かみ合わせの治療で通院していた男性は2012年8月、ホワイトニングの施術を受けた際、歯に塗った過酸化水素を含む薬剤が下唇に付着し、口唇炎が生じた。男性は施術内容やリスクの説明がなく、同意書も取られなかったと主張。判決は、医院側の説明義務違反を認め、器具を適切に使用しなかった施術上の過失も認定した。
7日に川崎市役所で会見した男性は「今も食事の際に痛みが出ることがある。ホワイトニングを行う歯科医師は患者の意思を尊重して施術を行ってほしい」と話した。
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4.参院予算委 首相「仕組み作る」外国人の医療保険巡り
11月7日 毎日新聞 |
安倍晋三首相は7日の参院予算委員会で、外国人労働者の受け入れ拡大に伴い、本国に住む外国人家族の医療費を日本側が負担する仕組みが医療保険財政を圧迫するとの懸念に関し、「高額療養費制度では我々の想定以外の形で使っている人が実際にいる。(利用者が労働者の親族)本人なのかも含め、しっかりと対応できる仕組みをつくりたいと述べた。国民民主党の足立信也氏への答弁。
高額療養費制度は、患者の負担が重くならないよう、一定額以上の医療費を支給する仕組みだ。しかし、外国人労働者やその家族が不適切に利用するケースが指摘されている。足立氏は「被扶養者の要件をどうするかは重要な課題。医療費がどんどん増えかねない」と指摘した。また、根本匠厚生労働相は、婚姻証明書など公的な書類がなければ本国にいる親族の保険利用を認めないよう3月にルールを厳格化したと説明。さらなる厳格化については「自民党のワーキンググループでも議論しており、その結果を踏まえて政府の対応を検討する」と述べた。
西日本豪雨や北海道地震の復旧費用などを盛り込んだ総額9356億円の2018年度補正予算案は、7日午後の参院本会議で可決、成立する見通し。
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5.非喫煙でも「たばこ病」に 歯周病でリスク上昇
11月6日 朝日新聞 デジタル |
歯周病の人は、肺に炎症ができて呼吸がしづらくなる慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)になりやすいことが、福岡県久山町の住民を対象にした九州大の大規模追跡調査でわかった。COPDは原因のほとんどが喫煙とされ「たばこ病」として知られるが、非喫煙者でも、歯と歯ぐきの間で増えた細菌が肺に入るなどして呼吸機能が低下する可能性があるという。
九大の竹内研時助教(歯科公衆衛生学)らが英科学誌に論文を発表した。40〜80代の住民約1600人について、歯周病の状況と、空気を吐き出せる量から肺の機能を判定するCOPDの検査の結果を3年間追跡。喫煙の影響を差し引いて分析した結果、歯周病が最も進行していた約400人は、症状が軽い人の集団に比べて、肺機能が低下する割合が約1.4倍高かったという。
COPDの患者数は全国で推定約530万人。大半がたばこを吸い続けることで発症するとされるが、吸わない人も発症することがある。竹内さんは「口の健康管理が肺の健康を守る。歯周病は予防ができる。毎日の歯磨きを徹底し、定期的に歯医者に行くことが大事」と呼びかけている。
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