1.ノーベル賞 医学生理学賞の本庶佑氏 京大特別教授
10月1日 毎日新聞 |
スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、2018年のノーベル医学生理学賞を京都大高等研究院の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授(76)と米テキサス大のジェームズ・アリソン教授の2氏に授与すると発表した。本庶氏は免疫の働きにブレーキをかけるたんぱく質「PD-1」を発見し、このブレーキを取り除くことでがん細胞を攻撃する新しいタイプの「がん免疫療法」の開発に結びつけた功績が評価された。
日本からの受賞は2年ぶり26人目。授賞式は12月10日にストックホルムであり,賞金900万スウェーデン・クローナ(約1億1500万円)が2氏に贈られる。
本庶氏らの研究グループは1992年、免疫の司令塔を担うリンパ球「T細胞」で働く「PD-1」遺伝子を発見。PD-1が免疫反応のブレーキ役に相当することが分かり、ブレーキを外せば免疫力が高まってがん治療に応用できるのではないかと考えた。
その後、がん治療薬の開発が進み、小野薬品工業(大阪市)が14年9月、PD-1の抗体医薬「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)を発売した。世界各地の製薬会社がよく似たメカニズムのがん治療薬の開発に乗り出しており、新たな治療法としての普及が期待される。
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2.グーグルの検索、歯科医の削除請求認めず 最高裁
9月28日 朝日新聞 |
検索サイトのグーグルで名前などを入力すると、かつて逮捕された際の記事が表示されるとして、男性歯科医がグーグルに検索結果の削除を求めた訴訟で、歯科医の敗訴が確定した。最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)が27日付の決定で、請求を棄却した一、二審判決を支持し、歯科医の上告を退けた。
検索結果の削除について最高裁は昨年1月の決定で、事実の性質や内容▽公表で受ける被害の程度▽記事の目的などを踏まえ、「プライバシーの保護が表現の自由より明らかに上回る場合に削除が認められる」とする基準を示した。
歯科医の訴えに対し、一審・横浜地裁は最高裁の基準に沿って検討。歯科医師法違反の疑いで逮捕された事実は歯科医の資質にかかわり、市民の関心ごとであるうえ、仕事への影響は極めて限定的で、記事は個人攻撃や私生活の暴露を目的にしていないとして、「公表されない利益が明らかに優越するとはいえない」と判断した。二審・東京高裁も一審を支持した。
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3.昨年度の医療費、過去最高42.2兆円 厚労省が公表
9月22日 朝日新聞 |
厚生労働省は21日、2017年度に医療機関に支払われた医療費の速報値「概算医療費」を発表した。前年度より9500億円増え、42兆2千億円となり、過去最高を記録。国民1人あたりの費用も、8千円増の33万3千円で最高となった。いずれも2年ぶりの増加となる。
概算医療費は、医療保険給付費と公費、患者の自己負担分の合計。労災や全額自己負担となる治療費は含まない。約1年後に確定値として公表する「国民医療費」の約98%に相当する。費用増加の主な要因は、75歳以上の後期高齢者の医療費が伸びたこと。75歳以上の費用は前年度から6800億円増の16兆円で、全体の増加分の7割超を占めた。3年前と比較すると1兆5千億円増えており、国民1人あたりで比較しても75歳未満の22万1千円に対し、75歳以上は94万2千円と4倍以上の金額となる。厚労省の担当者は「高齢化や医療の高度化を要因とした増加傾向は、しばらく続く」とみている。
また、厚労省は同日、16年度の国民医療費も公表した。保険診療の対象となる治療費の推計で、健康診断や予防接種などの費用は含まない。15年度から2263億円減り、42兆1381億円で、国民1人あたりでも1300円減の33万2千円だった。高額な医薬品の価格引き下げなどで10年ぶりの減少となった。年齢別では、65歳以上が25兆1584億円で全体の59.7%を占めた。そのうち75歳以上が15兆3796億円で、前年度から2167億円増加した。
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4.行政処分 医師と歯科医師11人
9月20日 毎日新聞 |
厚生労働省は19日、わいせつ事件で有罪判決を受けた山梨県の歯科医師1人の歯科医師免許を取り消し、計10人の医師や歯科医師を業務停止4カ月〜3年とする行政処分を決めた。医道審議会の答申を受け、処分は10月3日から効力が生じる。このほか、医師、歯科医師計6人を厳重注意、医師1人を処分保留とした。
免許取り消しとなるのは、準強制わいせつ罪で有罪判決を受けた清水直人歯科医師(40)=山梨県笛吹市。業務停止3年とされるのは、覚せい剤取締法違反で有罪判決を受けた高見伸子歯科医師(46)=千葉県=だった。
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5.眼科と歯科もまとめて健診 都内に新型人間ドッグ
9月19日 日本経済新聞 |
眼科や歯科もまとめて、血液検査は70項目以上。一般的な健康診断と比べて幅広い分野の検査ができる新型人間ドックのクリニック「KRD日本橋」が10月中旬に都内にオープンする。個人の体の状態を詳しく調べることで、様々な健康相談に応じることも可能になる。「かかりつけ医」のように、個人の健康管理の全般に寄り添う役割を果たしたい考えだ。
KRD日本橋は19日に内覧会を開いた。特徴的なのは、一般的な人間ドックや健康診断に含まれない眼や歯の状態をチェックできる点だ。眼科では視力検査のほか、眼底や網膜の断層写真の撮影などが受けられる。視野の広さを測るものまで含め、目だけで5種類の検査機器をそろえた。
健診の問診票や検査結果をクラウド上で管理する仕組みも採用した。自宅などからオンラインで入力する問診票の項目は数百にのぼり、食生活やライフスタイルまで網羅。受診者の幅広いデータを保存し、日常の健康管理にも役立てられる。及川孝光理事長は「かかりつけ医のようにいろいろな相談ができるようにするのが理想だ」と語る。
価格は検査項目にもよるが9万5000円(税抜き)から。検査項目が多く、健康相談にも応じる考えのため、1日の受け入れ人数は50人ほどにおさえる方針だ。クリニックの場所は東京・日本橋の駅から歩いてすぐのビルの2階。白と黒を基調にしたあかるい色合いの内装で、病院のような重苦しい雰囲気は感じにくい。1階にはセミナーなどで使えるスタジオも備える。
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