1.カルテコピー1枚5千円も 高額請求、主要病院の16%
7月24日 朝日新聞 デジタル |
診療録(カルテ)のコピーを患者らが請求した際に求められる料金が、病院間で大きく違うことが厚生労働省の調査でわかった。対象となった全国の主要病院の2割近くは、白黒コピー1枚でも5千円以上かかる設定だった。厚労省は20日、自治体に通知を出し、実際の費用を積み上げて料金を決めるよう医療機関に周知するよう求めた。
カルテや検査結果などの診療記録は、治療をめぐるトラブルがある場合や、自身の病状や治療を詳しく知りたい場合に請求される。2003年に厚労省が指針を作成。個人情報保護法は、本人が希望すれば病院や診療所は原則開示する義務があるとし、実費を勘案した合理的な範囲で手数料をとれると定めている。
厚労省が昨年、高度な医療を提供する特定機能病院と大学病院の計87施設を調べると、白黒1枚の請求でも16%は手数料などで5千円以上になり、3千円台も15%あった。一方、67%は1千円未満で手数料がないか、低額だった。また、5%の病院は渡す際に医師の立ち会いが必須だった。そのために高額になるケースもある。通知では、請求内容によって費用が変わりうる点や一律の料金設定は「不適切な場合がある」と注意を求め、医師の立ち会いを必須とするのは「不適切」としている。
厚労省の調査とは別に、高額な料金を請求され、診療所に詳しい説明を求めると、大半が戻って来たケースもある。大阪市の大学教授の黒坂真さん(57)は昨年3月、家族の障害年金申請のため、市内のクリニックにカルテ開示を求め、約10万8千円を請求された。カルテは約30年分で約400枚。コピー代は1枚270円かかっていた。
いったん支払ったが疑問がぬぐえず、市民団体「医療情報の公開・開示を求める市民の会」(大阪市)に相談。会を通じてクリニックに質問状を送ってもらった。クリニックは「約30年前に手数料を決めてから、開示請求がなかった」と説明。1枚20円などと見直し、約8万8千円を黒坂さんに返却した。クリニックの担当者は取材に「指摘があったため、改めて最近の他の病院などの手数料を調査した」などと文書で回答した。黒坂さんは「同様の医療機関はまだあるかもしれない。ガイドラインなどでしっかり対応してほしい」と話す。
同会副代表の岡本隆吉さん(74)は「病院側が制度を分かっておらず、むちゃくちゃな請求をしてくることがある。いろんな条件をつけ、自分たちに都合の悪い開示請求をさせないための対応をしているように見えることもある」と語る。
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2.熱中症 16〜22日、搬送者2万2647人 08年以降で最多
7月24日 毎日新聞 |
総務省消防庁は24日午前、熱中症の症状で16〜22日の1週間に救急搬送された人数が全国で2万2647人にのぼり、1週間分の集計を始めた2008年以降では最多となったと発表した。このうち65人が死亡し、1週間の死亡者数も08年以降で最多となった。
最近の猛烈な暑さで搬送者が激増し、9〜15日の9956人の2倍以上となった。また、4月30日から7月15日までの搬送者数の速報値は2万1166人。7月16日以降の1週間分だけで、それまでの2カ月半を上回った。最近1週間の都道府県別搬送者数は、東京都が最多で1979人、愛知県1954人、大阪府1779人、埼玉県1617人と続いた。死亡者は愛知、三重両県で各7人、埼玉県6人の順に多かった。
年齢構成は、65歳以上の高齢者が1万525人で全体の46.5%を占めた。7歳〜18歳未満が16.2%の3665人。7歳未満の乳幼児は1.3%の288人だった。
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3.産総研など、3Dプリンターで入れ歯 コスト半分以下に
7月19日 日本経済新聞 電子版 |
産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と歯科用合金製造・販売のアイディエス(東京・文京)は、3Dプリンターを使ってコバルトクロム合金粉末から壊れにくく患者に適した入れ歯を短時間で製造する技術を開発した。従来の鋳造に比べて製造期間が3分の1以下、材料コストが半分以下になるとみており、早期の実用化を目指す。
まず、口腔(こうくう)内の3次元形状を計測するスキャナーで取得したデータをもとに患者に適した入れ歯を設計。次に3Dプリンターで直径50マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル以下のコバルトクロム合金粉末をレーザーで加熱して溶かし、幾層にも重ねていくことで入れ歯を作り上げる。
従来の鋳造では、口腔内の型を取って石こうで模型を作ったうえで入れ歯の型を製作し、溶かした金属を流し込むなど多くの工程があった。新技術では製造期間を短くし、材料を減らし、精度が向上するなど利点が多いとしている。アイディエスが海外製のコバルトクロム合金粉末の薬事承認を取得し、産総研は材料の耐久性など安全性を評価した。2年以内に保険適用や、国産粉末も新たに作り薬事承認を目指す。アレルギー患者にも配慮し、チタン粉末を使った入れ歯の開発も進める。
40代以上から歯が抜ける本数が増え、部分入れ歯や総入れ歯など複雑な立体構造を持つ入れ歯を使う人が急増する。欧米では入れ歯の製造に3Dプリンターを活用した事例があるという。
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4.断水中の歯磨きどうする?うがいやハンカチで拭き取り
7月12日 朝日新聞 デジタル |
西日本を中心に被害をもたらした豪雨の被災地では、広範囲で断水が続く。断水中の歯磨きはどうしたらいいのか。
日本歯科医師会によると、口が不衛生な状態だと細菌が増え、肺炎や、全身の病気の悪化につながる。同会によると、少ない水で歯磨きするために用意するのは、約30ミリリットルの水。歯ブラシを水でぬらして歯を磨く。合間に歯ブラシの汚れを、ティッシュで拭き取る。コップの水を少しずつ口に含み、2〜3回にわけてすすぐ。歯ブラシがない時は、食後に少量の水やお茶でうがいをする。ハンカチやティッシュで汚れを取るのも効果があるという。
唾液(だえき)には口の中をきれいに保つ働きがあり、唾液を出す工夫も必要という。耳の下やあごの下を手でもんだり、あたためたりすると、唾液が出やすくなる。
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