1.歯科医師国家試験 合格者発表される
3月19日 厚生労働省 |
3月19日に第111回歯科医師国家試験の合格者が発表された。受験者は3.159人、合格者は2.039人で合格率は64.5%であった。合格者数はここ5年間2.000人前後と停滞している。男女別合格率は男性60.4%、女性71.0%と今年も女性が高かった。学校別合格者状況は次のとおり。(下表をクリックで拡大します)

※表が見られない方はこちら
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2.30年度診療報酬改定 告示・通知文 発表される
3月16日 厚生労働省 |
30年度診療報酬改定の詳細が3月16日に発表された。初・再診料の改定は平成30年10月1日からとなり、「院内感染防止対策に係る施設基準」をその研修を修了後、9月30日までに届出すると初診料が237点、再診料が48点となる。他には歯科疾患管理料、歯科訪問診療料、有床義歯咀嚼機能検査等の多くが改定されているので保険講習会等を受講して確認することが必要である。
校友会ホームページの平成30年度診療報酬改定に点数早見表が掲載されている。
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3.日歯 臨時代議員会 開催される
3月15・16日 日本歯科医師会 |
3月15日から日本歯科医師会は第187回臨時代議員会を会館で開催した。堀憲郎会長の挨拶は「会長に就任して丸2年が経過し、就任当時に掲げた28の課題も多くの成果をあげることができた。今回の診療報酬改定においては、口腔機能の維持向上に資する歯科医療技術の評価に対応した。また評価が低く抑えられている技術料評価の問題を提起対応した。結果として60項目を超える既存技術評価の引き上げ、初再診料の一定の引き上げがあったのは評価できる。今後さらにオールデンタルで歯科界の活性化に努めたい。」であった。
事業計画では・骨太の方針2017を踏まえた歯科保健医療の推進 ・医療介護の総合的な確保に係る歯科医療提供体制の構築 ・歯科界の活性化に向けた新たな歯科医療技術等の研究開発及び保険収載の推進 ・良質な歯科医療の確保及び提供体制の確保のための人材育成 ・歯科医療経営基盤の安定化 ・組織強化に向けた諸施設の展開 ・東京オリンピック パラリンピックなどに対応し、その責任を果たしていく姿勢を示した。
地区代表質問と個人質問につては次号メールマガジンに掲載する。
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4.オンライン診療、初診は「対面」で 厚労省が指針案
3月10日 朝日新聞 |
パソコンやスマートフオンを使い、医師が離れた場所にいる患者を診る「オンライン診療」について、厚生労働省は9日、適切に実施するための指針案を有識者会議に示した。初診時や新たに薬を処方する場合は原則、対面診療とする。4月から適用する予定。
オンライン診療は、離島やへき地だけでなく、医療機関を訪れるのが難しい在宅療養する患者や忙しい人向けにも広まりつつある。一方、医師法は「医師は自ら診察しないで治療をしてはならない」と定めており、対面しないオンライン診療の位置づけはあいまいだった。案では、オンライン診療は患者側の求めがあって成立するものとし、医師は患者に利点や不利益について十分に説明し、同意を得ることとする。また同じ医師による対面診療の組み合わせを原則とし、本人確認や使うネットワークの安全対策の徹底も求める。使って大丈夫かについて十分な情報が得られていないのに勃起不全(ED)治療薬をオンライン診療のみで処方することなどが不適切な例に挙げられている。
自由診療も含めたすべてのオンライン診療が指針の対象となる。4月から保険適用となるのは、特定の病気や通院期間などさらに細かい条件が定められている。この日の有識者会議では、「医師に研修をするべきだ」「患者または医師が海外にいる場合はどうなるのか」といった意見や指摘があった。厚労省は今後、対策を検討する。
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5.健康寿命、男女ともに伸びる 男性72歳、女性74歳
3月9日 朝日新聞デジタル |
厚生労働省は9日、介護などの必要がなく、日常生活を支障なく過ごせる期間を示す「健康寿命」の2016年の推計値を発表した。男性は72.14歳、女性74.79歳で13年の前回調査より男性は0.95歳、女性は0.58歳延びていた。都道府県別では男性は山梨、女性は愛知が1位だった。
健康寿命は、国民生活基礎調査で、健康上の問題で日常生活に影響がないと答えた人の割合や年齢別の人口などから算出する。今回は地震の影響で調査できなかった熊本県を除いて平均値を出した。16年の平均寿命(男性80.98歳、女性87.14歳)と健康寿命を比べると男性は8.84年、女性は12.35年の差があった。この間は「不健康な期間」とされ、医療や介護が必要となる可能性がある。
一方で、10年のデータと比べると、健康寿命は男性が1.72年、女性は1.17年の延びで、平均寿命の延び(男性1.43年、女性0.84年)を上回り、「不健康な期間」が縮まった。都道府県別でみると1位は、男性は山梨の73.21歳、女性は愛知の76.32歳。1位と46位を比べると男性2.00年、女性2.70年の差があった。男性は埼玉73.10歳、茨城72.50歳、千葉72.37歳、神奈川72.30歳、栃木72.12歳、東京72.00歳。女性は栃木75.73歳、茨城75.52歳、千葉75.17歳、埼玉74.67歳、神奈川74.63歳、東京74.24歳。
データをまとめた厚労省研究班の辻一郎・東北大教授(公衆衛生学)は「喫煙率の低下などの生活習慣の改善のほか、中高年の社会参加が増えていることが健康寿命の延びにつながっているようだ。今後も健康に対する意識を高めてもらいたい」と話した。
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6.厚労省 オプジーボ24%値下げ 4月に27万8000円
3月5日 毎日新聞 |
厚生労働省は5日、高額な新型がん治療薬「オプジーボ」の薬価を4月から約27万8000円(100ミリグラム1瓶)に引き下げると発表した。現行の約36万5000円から24%減。薬価見直しのルールが同月から変更されることが影響した。
オプジーボは一部の皮層がんを対象に2014年9月に保険適用され、その後、肺がんへの効能追加で対象患者が大幅に拡大。医療保険財政を圧迫するとの指摘を受け、厚労省は昨年2月、通常の改定時期を待たずに当初の薬価約73万円を半額に引き下げた。今回の薬価改定により、保険適用時と比べ60%超の値下げとなる。
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7.子ども医療費の無料化拡大、是か非か? その2
2月21日 朝日新聞デジタル |
子ども医療費の無料化が広がっている。かつては富裕自治体のサービスが目立ったが、無料化は今や全自治体に広がってしる。いま、通院費では「中学生まで」と「高校生まで」助成するケースが8割に達する。子育て世帯のつなぎとめ策だが、過剰医療の懸念もある。
・子育て支援策として有効か
・子どもの健康にプラスばかりか
・医療費の膨張は許容できるか
自治体が居住する子どもの医療費の自己負担分を助成するサービス。通常、医療費では、就学前で2割、小学生以上で3割を患者が自己負担するが、自治体が肩代わりしていることが多い。自治体によって、親の所得制限や一部負担金を設けているところもある。
森山一正さん(大阪府摂津市長)「子育て世帯争奪 支援は必須」
大阪府北東部にある摂津市の面積は14.87平方キロメートルしかなく、多くのマンションが建てられる環境ではありません。限られたスペースで市がどう生き残るかを常に考えています。
人口は約8万5千人。工業都市として発展した経緯もあり、工場労働者や共稼ぎの世帯が多い。子育て支援に力を入れるのは、人口減社会のなかで、都市の活力を失わないためです。市の子ども医療費無料化は1973年に始まりました。0歳児から段階的に年齢を引き上げたり、所得制限をなくしたりしてきました。最近の課題は子どもが成長するにつれて、近隣の吹田市や大阪市に転出するケースが目立っていることです。そこで、今年4月からは18歳までの通院・入院にかかる費用を無料にします。2回までは500円の自己負担金はあるものの、所得制限はありません。さらに、1人親世帯で大学や専門学校に在学する人については、22歳まで医療費無料の対象にすることも決めました。
国の補助金や借金である市債に頼っている市財政で、無料化を拡大するのはモラルハザードにならないか、ですか? 市長就任後、私がまず優先したのは財政再建です。2002年度に経常収支比率が全国の市でワースト2位となるほど財政が悪化していました。市職員や公共工事の削減などの行政改革で財源を捻出した後、段階的に医療費無料の対象を拡充しました。市の18年度の一般会計当初予算案総額338億円のうち、医療費無料分は3億3千万円余りで、それほど大きな額ではありません。最近は20代〜30代の子育て世帯に、保育所の整備率の高さなど市の幅広い子育て支援策が受け入れられている。人口1千人あたりの出生率は9.8人で、府内でトップです。
無料化の拡充は安易な受診を招くとの批判も聞きます。ただ、いまは子どもがどんどん減り、自治体が子育て世帯を奪い合っている状態です。すでに府内では摂津市以外に4市3町が18歳までの無料化に踏み切っています。間髪入れず施策をうたなければ、後れをとります。市の国民健康保険ベースに限ってみれば、子どものレセプト件数は無料化の後でも急増しておらず、安易な受診が増えているとは言い切れません。子どもはちょっとした変化で受診することで早期発見につながることもあります。長期的に見れば医療費は減ることになります。
かつて「高齢者向け」を無料化して医療費が膨張した歴史はわかりますが、「子ども向け」を同列視するのは筋違いです。医療費増は悪、と決めつけるのは、厚生労働省の発想です。18歳までの子どもの医療費と学費は本来、国が負担するべきものです。市町村は国に代わって医療費を助成してきたといえます。にもかかわらず、国は市町村が国以上の水準のサービスをすると、国民健康保険の補助金を削減するというペナルティーを科してきた。医療費助成が全国に広がったことを踏まえ、今年4月からは未就学児までの助成に対するペナルティーは廃止になりましたが、全ペナルティーを廃止すべきです。
医療費無料化などの子育て支援で大切なのは、市民に定住してもらい、将来はお返ししたいと思ってもらうことです。助けられた人が、今度は税金を納めて別の人を助けてくれれば、投じられたお金も生きることになります。
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