1.診療報酬の審査、AIでほぼ自動化へ 職員は2割削減
7月4日 朝日新聞デジタル |
厚生労働省は4日、診療報酬の請求を審査する特別民間法人「社会保険診療報酬支払基金」(支払基金)の業務合理化策を発表した。2022年度までに審査の9割をコンピューターに担わせ、国民が払う健康保険料から賄っている年800億円の運営費を減らす。
支払基金はいま、医療機関から診療報酬の請求を受けると、コンピューターによる事前チェックを経て、職員や医師らが明細書(レセプト)を審査している。これを、人工知能(AI)を活用して大半をコンピューターだけの審査にする。
コンピューターだけで対応しきれない一部審査は職員らが担うが、24年度末までに新規採用の抑制などで現在の職員数の2割にあたる約800人を減らす。どれだけ運営費を減らせるかは明らかにしていない。また、支払基金などに集まる情報の活用も進める。転職や退職で加入する医療保険者が変わる際に途切れがちな個人の健診記録などを一元管理。本人の要請に応じて健康情報の履歴を提供できるようにする。
年計約20億件寄せられる医療・介謹の明細書情報や健診データを20年度にビッグデータとして本格活用。民間企業や研究者、保険者が自由に使えるようにし、革新的な劇薬や治療法の開発、社員の健康づくりに役立ててもらう。
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2.歯削る医療機器、半数使い回し... 院内感染の恐れ
7月2日 読売新聞 |
全国の歯科医療機関の半数近くが、歯を削る医療機器を患者ごとに交換せずに使い回している可能性があることが、2017年の厚生労働省研究班(代表=江草宏・東北大学歯学部教授)の調査でわかった。
使い回しが7割弱だった5年前の調査に比べて改善したものの、院内感染のリスクが根強く残る現状が浮き彫りになった。調査は、ドリルを取り付ける「ハンドピース」と呼ばれる柄の部分の管理について尋ねたもの。治療時に口に入れるため唾液や血液が付着しやすく、使い回せば細菌やウイルスを次の患者に感染させるリスクがある。日本歯科医学会の指針は、患者ごとに機器を交換することになっている。
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3.平成30年度制度・予算に関する要望 厚労大臣に提出
6月28日 日本歯科医師会 |
日歯は6月28日、厚生労働省を訪問し、適切な歯科医療提供体制を構築して、国民の健康寿命の延伸を図るべく平成30年度制度・予算に関する要望書を塩崎恭久厚労大臣に提出した。
要望書では、以下の5項目を重点的に要望するとともに、歯科口腔保健推進室の省令室への昇格について理解と協力を求めた。
○地域に密着した歯科医療提供体制の構築
○平成30年度診療報酬・介護報酬改定への十分な財源の確保及び地域医療介護総合確保基金の活用
○生涯にわたる歯科健診の充実 、
○必要な各種審議会への歯科医師の参画
○歯科衛生士・歯科技工士の人材育成と確保
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4.AIで診療や薬開発支援「20年度にも」厚労省懇談会
6月27日 朝日新聞デジタル |
医師の診療や薬の開発を支援する人工知能(AI)を2020年度に実用化できるとした報告書を、有識者でつくる厚生労働省の懇談会が27日、公表した。
報告書は、比較的早く実用化できる領域に、遺伝子を調べて効果的にがん治療などを進めるゲノム医療▽X線や内視鏡、皮膚科や眼科などで得られる画像を集約した診断支援▽問診や検査のデータを蓄積した治療支援▽ターゲットとなる分子を予測した薬の開発支援一の4分野をあげる。認知症診断や手術の支援・自動化は、長期的に取り組む分野とした。現場のニーズや関連のデータを集め、開発していく必要があるとしている。
一方、この分野のAIについて、人の業務を単純に置き換えるのではなく、人が判断を下すことや知識や技術を使いこなす必要性を指摘。「感情などデータではとらえきれないものも多く、AIだけでは患者が得られる満足感に限界がある」といった問題点をあげた。
20年度までにデータベースの構築や製薬企業とIT企業のマッチングを進めることや、診療を支援するAIが医師法や医薬品医療機器法上、どのように扱われるかを明確にすべきだとも指摘している。報告書を基に厚労省は、法解釈の整理や実用化に向けた検討を進める。
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