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日本歯科大学メールマガジン
日本歯科大学メールマガジン
第318号特別号 2015年12月9日
 

 今号のメールマガジンは特別企画としてシリーズ「歯科界を考える」を掲載することになりました。
 校友会ホームページ「役員会からの掲示板」に11月12日から3回に分けて近藤勝洪会長が執筆し連載された原稿を、今回のメールマガジンに一挙に掲載いたします。

日本歯科大学メールマガジン

 その1 平成27年11月12日

 2015年2月から12月までのわずか10か月余りの間に、日本歯科医師会は二度の会長選挙を行うという極めてイレギュラーな状況となりました。この事態を受け私たち日本歯科大学校友会として、これまでの経緯と現状を把握するとともに、今後の進むべき道筋を整理し、また考察することが必要と思っています。
 まず本年2月に行われた会長予備選挙についてですが、このときは二名の候補者が立候補し、各陣営それぞれが独自の選挙戦を展開し結果的に高木幹正氏が当選したわけで、このことはそれなりに評価しなければならないことでしょう。また本来ならこの予備選挙結果がそのまま会員の意識として定時代議員会で認められ、高木氏が2年間の執行に就かれる予定でした。
 しかし高木氏の日歯会長就任を決定する代議員会より前の4月末に、日本歯科医師連盟が政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部の強制捜査を受けるという事態が発生しました。容疑が高木氏の日歯連盟会長時代のものであっただけに、被疑事件に深く関与する高木氏が日歯会長に就任することを危惧する声が会員の中に当然高まってきました。日本歯科医師会の前執行部としてもこのことを懸念し、事件の渦中にあり起訴される可能性があると考えられる高木氏を含む次期執行部の理事候補者を、そのまま定時代議員会に提案することの適否を判断するため、臨時代議員会を開催して代議員諸氏の意見を求めました。臨時代議員会では適否の意見がほぼ拮抗しましたが、「推定無罪」「定時代議員会で代議員の良識に任せるべき」という声に配慮し、執行部は理事候補者リストをそのまま第179回定時代議員会に提出し、結果的に提案どおり可決され高木執行部が発足しました。
 新執行部がスタートはしましたが順風満帆だったわけではありません。それは容疑が政治資金規正法のみに止まらず、日歯連盟に対する再度の捜査、都府県歯連盟の一部さらには日本歯科医師会も捜査を受けるまでに拡大し、公職選挙法違反にまで及ぶのではないかとの懸念も出てきました。
 4月の強制捜査からここまで、日本歯科医師連盟は一貫して「形式的にも実質的にも違法性はない」ということを強く発信し続けていました。それは連盟の現執行部になってから契約した嘱託弁護士の、「日歯連盟と中央後援会は本部と支部のようなものであり、その会計も一般会計と特別会計のような関係で、今回の金銭移動はまったく問題ない」という論旨を根拠としていたと思われます。しかし中央後援会を設置した段階ではそうであっても、これを総務大臣に政治団体として設立の届出をした段階で政治資金規正法の規制を受けることになるのは容易に判断でき、この点を指摘できなかった日歯連盟執行部は当事者としての責を免れるものではないと思います。
 半年近くの間、常に日歯会長が起訴されることが不安視されていましたが、9月30日になって髙木氏ほか2名が政治資金規正法違反容疑で逮捕されるということになってしまいました。こともあろうに公益社団法人の現職会長の逮捕ですから、会員だけでなく社会に与えた衝撃は計り知れません。逮捕後20日間の拘留を経て三名ともに保釈され同時に起訴をされましたが、この時に三名と併せて日本歯科医師連盟そのものも起訴されています。
 最近の政治資金規正法違反事件でも、小渕優子議員の場合、渡辺喜美前議員の場合、猪瀬直樹前都知事の場合等、金額が大きいにも関わらずいずれも逮捕者は出ていません。日歯連盟という団体そのものの起訴と併せて、なぜ今回が特に厳しい取り扱いを受けているのかを連盟執行部はよく考えるべきです。決して平成16年の事件に続いているからというだけではなく、「違法ではない」という内容の発信が強く、繰り返し行われたということもその理由でしょう。
 三名は罪状を否認しているようですので今後裁判が続くものと思われます。また日本歯科医師連盟もこれまで違法性はないと言い続けていましたから、簡単に有罪を認めることはできず会員の支払った会費を使いながら裁判をすることになるのでしょう。裁判を続けることは連盟本来の業務に重大な支障をきたすことは明らかです。現日歯連盟執行部は今月末の臨時評議員会で出処進退を問うようですが、自ら出処進退を決められないこと自体が当事者能力の欠如といえます。今後は人心一新した執行部により裁判を引きずることなく容疑を認め、解体的な出直しをすることも必要かもしれません。
 一方日本歯科医師会は、会長であった髙木氏が拘留期間中に会長職の辞表を提出したため、公益法人法への対応上定款に基づき残った役員の中から次の会長を選出するとともに、理事全員が辞任届を提出しました。その結果、再度の臨時代議員会における協議を経て、本年二回目の会長予備選挙を行うことになったのです。
これほどの混乱の原因はどこにあったのか、避けることはできなかったのか、 などは当然総括しておくべきことと思われます。
 一部には今年1月の日歯連盟臨時評議員会における、日歯連盟内の政治団体間における寄付の妥当性に関する発言を端緒としているかのような考えも出されていますが、発端はこの臨時評議員会の10日ほど前に出された某政党機関紙の報道であり、そこで政党助成金に関して指弾されたのが日歯連盟の組織代表議員の一人です。マスコミ関係者は当然その組織代表議員の政治資金収支報告書を閲覧することになりますし、収支報告書を見れば「迂回」と言われる寄付の流れは容易に想像できてしまいます。執行部や評議員の一部には臨時評議員会における発言を「リーク」などと評する方がいたようですが、これこそそこに不正な行為があったことを認めるものであり、何よりも恥ずかしい表現であると言えますし、このような論調を使い続けたことが混乱の遠因ではなかったかと思います。
 また、会長予備選挙で当選したとはいえ政治資金規正法違反で起訴される可能性があった候補者を、「推定無罪」などの表現で懸念を打ち消すような発言が相次いだ5月29日開催の第178回代議員会も、組織外の弁護士の発言を許した運営を含め反省をすべきと考えられます。拙速な決定をせず、事態の進展を見極めるまで待つ勇気が必要でした。
  12月24日開票の日歯会長予備選挙に向けて本日現在で三名の方が手を挙げていますが、その政策等は一部のみしか伝えられていません。情報が出そろった段階で近日改めて、次期会長にはどんな人物が適任か、失われた国民、患者、会員の信頼を回復するために何を考えればよいのかについて言及いたします。

 その2 日本歯科医師会について 11月24日

 前稿では今日までの混乱の原因等についてまとめてみましたが、さらに一歩進めて今後の日本歯科医師会の方向性と、その指導者はどうあるべきかを考えてみます。
 最初に、ここまでの日本歯科医師会に執行上の過ちがあったか、あったとすればそれは何か、ということですが、強制捜査から起訴に至るまでの被疑内容はすべて連盟関連の問題であり、日本歯科医師会には特段の瑕疵はなかったと言えます。強いて問題を指摘するなら、就任後に起訴をされる可能性のあった髙木氏提出の理事候補者名簿を承認した日本歯科医師会代議員会こそが責められるべきでしょう。しかしその代議員会もすでにメンバーが替わり、現在では異なった顔ぶれで開催されています。せめて、5月29日開催の第178回臨時代議員会及び6月18、19日開催の第179回定時代議員会、これらにおける次期役員に関する一連の決定について、10月22日開催の第181回臨時代議員会において代議員会の名前で遺憾の意を表明しても良かったかと思います。
 公益社団法人である日本歯科医師会は常に国民と国民歯科医療を念頭に事業を行っていますが、今回、事件の舞台となった日本歯科医師連盟は他団体であるとはいえ国民には日本歯科医師会とを区別することは困難でしょう。現に一部のマスメディアでは混同した取扱いが行われていました。事件の背景その他に関しての検証は日本歯科医師連盟が率先して行うべきことであり、日本歯科医師会が表だって関与できるものではありません。しかし、都道府県の連盟のみならず都道府県歯科医師会からも日本歯科医師連盟の解体的出直しを求める声が高まれば、連盟の今後は、定期的に行っている日歯と日歯連盟の連絡協議会における大きなテーマとなるはずです。
 それでは、連盟関係のことでなく日本歯科医師会として今後行っていかなければならないことはなんでしょう。当然ながら平成16年の事件以来再び失ってしまった歯科界の信頼を回復することです。高木前会長が逮捕された翌週に予定していた「歯の健康シンポジウム」が、スポンサー企業の降板の申し出により事業そのものを中止せざるを得なくなったことがありました。これこそが、国民が歯科をどのように見ているかの証そのものに他なりません。国民と消費者を対象としている企業からみれば、たとえそれが日本歯科医師会の不祥事ではなくても現職会長が逮捕された日歯と付き合うことは、国民の理解を得られないと判断されたとしてもやむを得ないものです。            
 日本歯科医師会は国民の健康の維持・増進のために各種の事業を行っています。一方で、会員診療所の経営が安定しなければ良質な医療を患者・国民に提供できません。これまで日本歯科医師会は厚生労働省、文部科学省をはじめとする省庁、日本医師会、日本薬剤師会、歯科衛生士会、歯科技工士会、歯科商工協会などの諸団体と連携して事業を推進してきました。それらはすべて互いの信頼関係の上に成り立つものです。
例えば診療報酬改定作業では、医療担当者としての三師会における信頼関係は必須のものであり、その信頼関係の上で中医協の場で支払者側との議論も行えるのです。診療側と支払者側の間に立つ厚生労働省にとっても、現職会長が逮捕された組織と今まで通りの緊密な連携をとることができなくなるのではないかと危惧します。
 平成29年4月に実施される消費税10%への引き上げにおいても、医療に残る控除対象外消費税の解消や、課税のあり方の議論も三師会共闘の中から生まれるものです。佳境を迎えた税制の議論は、三師会の意見のすり合わせと財務省などとの対応を含め、政治による解決が必要になるでしょう。そのためにも次期執行部の人心一新が欠くべからざるものと考えます。
 今後の歯科医療を担う新会長には何が求められるのでしょうか。会長が代われば歯科界を見る目が劇的に変化するわけではないと思いますが、旧態依然とした路線では国民からの信頼どころか期待すら得られないでしょう。
 歯科界は信頼を失い、社会から付き合いたくないと思われているのが現状です。信頼を失うのは一瞬のことですが、それを取り戻すには何年もの月日がかかります。次期の日本歯科医師会執行部には、この信頼回復に力を傾注して下さることが期待されます。新鮮な会長の下で信頼回復がなされてこそ、新生日本歯科医師会が国民・会員の負託に応えることができると確信します。

 その3 次期日本歯科医師会会長について 12月7日

 日本歯科医師会は11月27日に会長予備選挙に対する立候補届出を締め切りました。ご承知のように、富野晃氏、山科透氏、堀憲郎氏の三名の方がそれぞれ多数の方々の推薦を受けて立候補されています(届出順)。
 ここまで「歯科界を考える―その1」及び「同―その2」で書いてきましたように、今の混乱した状況を収め、信頼を回復し、新生日本歯科医師会に変貌させることができるのはどなたなのでしょうか。三名の方々の経歴や政策を中心に比較してみたいと思います。
 まず富野氏です。富野氏は平成25年から2年間日本歯科医師会の副会長を務められていました。業界紙によれば政策提言の一番に掲げていることは、全会員の直接選挙による日歯会長選出です。
 現在の選挙人制度は、平成16年の日歯連事件関連で当時の執行部が設置した「日歯改革検討委員会」の提言から、平成17年度に制定された制度です。平成16年当時、横領した公金の一部が会長選挙のため日歯代議員の買収に使われたとされていることから、検討委員会は、会長選挙の有権者が代議員だけで少なすぎるから買収行為が発生するので、有権者を多くすることが必要と指摘しました。これを受けて当時の執行部は、有権者を3倍から5倍程度にすることを検討し、最終的には代議員数の5倍に近い数字である会員の1%に落ち着かせました。これが約650名だったのです。1%に決定した背景には、将来的には直接選挙も見据えながら、必要があるときにはこの1%という数字を多くすることも検討されていたのです。
 現在の641名でも予備選挙にはかなりの費用がかかっています。直接選挙は民主的な響きがありますが、必ずしも利点ばかりではないということに目を向ける必要があるでしょう。
 次に山科氏です。山科氏は大久保執行部の副会長を平成21年から6年間務められ、今年度から高木執行部の副会長、会長代行を経て、現在は理事会決定により会長職に就いておられます。所信表明の一番に掲げていることは、外部有識者を主軸とした検証委員会の設置で、この委員会に置いて会務全般の検証等を行う、としています。検証委員会の設置は11月の理事会で決定され、1月の報告書提出を目指すとのことです。直近の日歯メールマガジンNo.421 によれば外部有識者に求めるものは、日歯連盟事件に係る日歯としての一連の対応、公益社団法人としての役員選挙のあり方、日歯連盟との峻別、などです。新会長就任後の施策を早々に解決される腹積もりと考えますが、これだけの内容と案件の検討を正月休みをはさんだ2か月で終わらせようというのは、少し簡単すぎないかと思います。どれをとっても時間をかけて検討すべき重要なテーマであるにもかかわらず、何を拙速にと感じざるをえません。
 最後に堀氏です。堀氏は平成18年4月から本年6月まで日本歯科医師会社会保険担当の理事や常務理事を続けて来られました。特筆すべきは平成16年事件に続く18年改定の後に平成23年からは中医協委員となり、厚生労働省や支払い側との信頼回復に力を注がれ、後ろ指を指されるような状況の中で薄皮をはがすように丁寧に歯科界の信頼を取り戻してきたことでしょう。所信表明の一番に掲げていることは、人心の一新を内外に明確に示すことでありました。医療保険のスペシャリストでありながら、専門分野の案件よりも危機に瀕している歯科界を立て直すことに意欲が感じられ、本稿「その1」「その2」で記述してきました考えと一致するものを感じますし、年齢が60代前半ということもあり新生日本歯科医師会を託すことに期待が持てます。
 三人ともにもっと多くの施策を述べていますので、本稿を読まれている方々にはその施策に目をとおしていただきたいと思います。また、有権者の皆様に何より願うことは、誰々から頼まれたからとか、どこどこから指示があったからということではなく、今後の日本歯科医師会を本当に託すことができるのは誰か、という基準を忘れずに自分で判断して下さることです。

 
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